僕は自由に飛び立てるのかな?

自由になりたかった。
空を飛び立つ鳥のように。
海を泳ぐ魚のように。

物語に縛られずに、自由に。


『うぁっ!』
「花京院ッ!」


痛い痛い痛い痛いッ!
焼け付くような痛みが瞳からジワジワと溢れる。

死にたくない死にたくないよ…怖いの…
やだやだやだやだやだやだ

ポロポロと涙があふれる。
痛みから、恐怖からの涙。わたしが弱い証拠。


「お、おい!大丈夫か!?」
「花京院がやられおった!」
「すぐに手当てを!」

『ゃ、ぃや…、』


周りで仲間たちの声が響く中、頭を抑えて膝をついて、ポロポロと涙が頬を伝う。

フラッシュバックする。
わたしが死んだあの日を。わたしが終わったあの日。わたしが、典明の命を奪ったあの日。

すべてが始まった日。


「…利麻、泣くんじゃねェ」
『ッ!』
「待ってろ」


ジワジワと痛みが見えない瞳では、声だけが頼りで。

包み込むような声。安心できる力強い声。
フラッシュバックが止まる。
光のない瞳で声の聴こえる方を仰ぎ見ると、光が見えた気がした。


『ぁ…』


そのまま、わたしの意識は底に沈んだ。

結局、弱いわたしは縛られたまんま、そこから動けてない。

( 6/15 )

 
[mokuji]



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