僕は自由に飛び立てるのかな?
自由になりたかった。
空を飛び立つ鳥のように。
海を泳ぐ魚のように。
物語に縛られずに、自由に。
『うぁっ!』
「花京院ッ!」
痛い痛い痛い痛いッ!
焼け付くような痛みが瞳からジワジワと溢れる。
死にたくない死にたくないよ…怖いの…
やだやだやだやだやだやだ
ポロポロと涙があふれる。
痛みから、恐怖からの涙。わたしが弱い証拠。
「お、おい!大丈夫か!?」
「花京院がやられおった!」
「すぐに手当てを!」
『ゃ、ぃや…、』
周りで仲間たちの声が響く中、頭を抑えて膝をついて、ポロポロと涙が頬を伝う。
フラッシュバックする。
わたしが死んだあの日を。わたしが終わったあの日。わたしが、典明の命を奪ったあの日。
すべてが始まった日。
「…利麻、泣くんじゃねェ」
『ッ!』
「待ってろ」
ジワジワと痛みが見えない瞳では、声だけが頼りで。
包み込むような声。安心できる力強い声。
フラッシュバックが止まる。
光のない瞳で声の聴こえる方を仰ぎ見ると、光が見えた気がした。
『ぁ…』
そのまま、わたしの意識は底に沈んだ。
結局、弱いわたしは縛られたまんま、そこから動けてない。
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