僕らが出逢えたあの夏の日
エジプトに行くことは必然だった。
わたしはDIO様に出逢って、肉の芽を埋められた。
DIOは恐ろしくて綺麗で、美しくて、
識っていたはずなのに、わたしは彼に魅せられて動くことが出来なかった。
死にたくない。
みっともなく《生》に縋ってた。
ねぇ、なんでわたしは典明として生きてるの?
そんな想いはいつも頭から離れなかった。
けど、わたしは花京院典明だから。
彼と性別は違くても、わたしは彼なんだ。
『……空条承太郎、死んでもらう。』
だから、わたしは彼と同じように死ぬんだ。
死にたくないのに。
わたしは、
「てめぇ…」
『死んで、ください。』
涙を溢しながら、対峙する空条承太郎に笑ってそう言った。
目が合った瞬間、何かが始まった気がした。
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