弾き出した答えのすべて
わたしのスタンドは、ただ唄うだけ。
典明のスタンドであるハイエロファントグリーンと違って、わたしのスタンドは攻撃なんてできない。
ただ唄って、癒す。
歌を聞いたすべての人を。
だから、実際に闘いの中では使えない。
役立たずなわたしと同じように、役立たずなスタンド。
それなのに、彼はわたしに唄うことを強要する。
でも、わたし、もう歌えない
だって、わたしの心、消えてなくなりそうだもの
「承太郎が来たようだな」
『や、』
「貴様のその無残な姿を見になァ?他の男に犯された女を承太郎はどう思うだろうな」
『ぁ、あ、』
こないでこないでこないで
どうかわたしをみないで
身に纏うものはなにもない。
ところどころに見えるのは白いナニカ。
もう、だれにもあいたくないの
よごれてしまって、
きっと、わたしのこのきもちも、よごれてしまって、
すべてが、いや、
ドンドンッ、音が聞こえる。
怖い音、争いの音、
彼が来る。
愛おしいあの人。
でも、わたしきっと彼に拒絶されてしまう。こんなにも、こんなにも穢れてるんだもの。
ただね、死にたくなかっただけだった。
典明を殺した罪悪感から逃げたかった。
ただ、それだけだった。
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