弾き出した答えのすべて

わたしのスタンドは、ただ唄うだけ。
典明のスタンドであるハイエロファントグリーンと違って、わたしのスタンドは攻撃なんてできない。

ただ唄って、癒す。
歌を聞いたすべての人を。
だから、実際に闘いの中では使えない。

役立たずなわたしと同じように、役立たずなスタンド。


それなのに、彼はわたしに唄うことを強要する。

でも、わたし、もう歌えない
だって、わたしの心、消えてなくなりそうだもの


「承太郎が来たようだな」
『や、』
「貴様のその無残な姿を見になァ?他の男に犯された女を承太郎はどう思うだろうな」
『ぁ、あ、』


こないでこないでこないで
どうかわたしをみないで

身に纏うものはなにもない。
ところどころに見えるのは白いナニカ。

もう、だれにもあいたくないの

よごれてしまって、
きっと、わたしのこのきもちも、よごれてしまって、

すべてが、いや、


ドンドンッ、音が聞こえる。
怖い音、争いの音、

彼が来る。
愛おしいあの人。

でも、わたしきっと彼に拒絶されてしまう。こんなにも、こんなにも穢れてるんだもの。


ただね、死にたくなかっただけだった。
典明を殺した罪悪感から逃げたかった。

ただ、それだけだった。


( 13/15 )

 
[mokuji]



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テーマ「人外ファンタジー」
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