都合良く考えられたら
Side.JOJO
「病室から利麻が消えたじゃと…!」
ジジイから聞こえた声に、驚きで目を丸くする。
利麻は今、目が見えねぇ。その利麻が病室から消えただと…?
「……そうか、わかった。」
「ジジイ、どういうことだ。」
電話を切ったジジイの胸倉を掴んで睨み付ける。
アヌビス神を倒し終わって何日か。
次の目的地まで歩いていた俺たちに入った仲間の、好きな女の情報。
冷静で、いられるはずがねぇ。
「承太郎、落ち着くんじゃ。」
「ジョースターさんの言う通りだ。焦っても仕方ない。」
「そうそう。花京院も、そんな簡単に敵にやられる奴じゃねぇよ。」
イライラする。ああ、わかってる。
利麻だって、弱くはない。だが、あいつは女だ。
俺たちとは違う。
いくらでも、力でねじ伏せることができる。
「利麻の行方はわかっとらん。…だが、利麻が行方を眩ました夜、病院の看護師が二人行方不明らしい」
「どういうことだぁ?」
「……DIOの仕業の可能性があるということですか?」
「……その通りじゃ。」
利麻が俺たちを裏切る?
んなの、許すわけがねぇ。
利麻は、俺のモンだ。
DIOには渡さねぇ。
ああ、どうかアイツが敵にならねぇことを願う。
アイツが敵になったら、俺は自分を抑えられる自信がねぇ。
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