『ディオ。』
「おねえちゃん!」


わたしが名前を呼ぶと、走ってわたしに抱き着いてきてくれるディオが可愛くて可愛くて、思わず笑みが零れる。

うへへ。めっちゃ可愛い。

この度ディオの姉として産まれました、サクラ・ブランドーです。ちなみに、前世は純粋な日本人でした。今はハーフでプラチナブロンドだぜぇどやあ。まあ、だからってなんてことはないんだけど。しいていうなら、美少女ってだけで、いろんな人がおまけとか割引きとかしてくれるからラッキーって感じ?ごめんね!庶民派で!


「おねえちゃん?」


そんな庶民派街道まっしぐらなことを考えていると、My angel ディオが上目遣いをしながら、わたしをジッと見てきた。


『ふふー!ディオ可愛いっ!』
「おねえちゃんも可愛いよ!」


ほんっと!天使!

先日、私の義理の母が亡くなりました。ちなみにディオの本当の母です。よって、私とディオは異母姉弟だよ!

それなのにディオってば…!
お母さんが死んで、辛いはずなのに健気に笑顔を振りまいて…!
ディオがいい子で、お姉ちゃん嬉しい!


『あぁ!ディオはいい子になってね!』
「うん?がんばる!」


それはそうと。みなさん、ディオ・ブランドーって聞いたことありません?
そう!ジョジョと奇妙な冒険に出てくるディオ・ブランドーだよ!

これに気付いたとき、私は焦った。


(この可愛い可愛い可愛い×∞なディオが吸血鬼だ、と…?無駄無駄無駄無駄ァッ!とかWRYYYYYY!!とかやっちゃうの?いやいや!やだよ!そんな弟!無駄無駄無駄ァッ!は百歩譲っていいけど、WRYYYYY!!はあかん!

……確か、原作ディオは父さん殺してたことから始まる気がする。

なら、父さんが殺されなければ、My angel ディオは吸血鬼ならない!はず!よし。父さんからディオを守らねば!
大丈夫!ディオ!私がディオを悪魔の手から守ってあげるからね!お姉ちゃん、頑張る!)


なんて考えた。

とりあえず、父さんコノヤローとか時々思うけど、My angel ディオを吸血鬼にしないために、心の底からディオを守ろうと思った。
だって、こんな天使が無駄無駄無駄無駄ァッ!とか泣く。WRYYYY!!とか泣く。


『ディオだあいすき!』
「ぼくもおねえちゃん、だいすき!」


私の弟、本当天使!


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