ディオの場合
薄暗く、ジメジメとした部屋。窓のない、あるのはあの子が行き来するためにある扉だけ。
「サクラーー」
『ディ、オ、』
可愛かったわたしの弟。もう、彼はわたしの知ってる弟じゃない。ううん、もともといなかったのかもしれない。可愛い可愛い弟なんて。
ディオがわたしの太ももに手を這わす。彼によって奪われた服。わたしが身に纏うのは、薄い布だけ。
『ディオ、もう、もうやめて、』
「なぜ?もうサクラは俺のモノだ。ジョースター卿もジョジョももうこの世にはいない。この家も、財産も、サクラもッ!このディオのものだッ!!」
『ぅ、ジョジョ…、』
その言葉に大声で泣き叫びたくなる。わたしの愛したあの人は、いないの。
ジョジョ、ジョジョ、なぜ?ねえ、なぜ、わたしを置いていってしまったの?
そんな理由、わかりきってるのに。
ディオが、殺した。わたしの血の分けた弟が、最愛の彼を殺した。
「サクラ…まだ君の心の中にはジョジョがいるんだなあ?」
『ぅ、ぁっ、』
「俺がすべて忘れさせてやる。愛してる愛してるさ、サクラ。幼い頃からずっとサクラだけを見てきたんだぜ?姉だなんて、思ったことはなかった。」
恍惚そうな顔をしたディオがわたしの身体に舌を這わす。
知っていた。わたしは、ディオの気持ちを。でも、わたしはジョジョを愛していたし、ディオのことは家族、大切な弟としてとしか見られなかったから。
ああ、だからこんなことになったのかもしれない。
ディオに抱かれながら、わたしは逃げることを諦めた。
声を出さないように口に手を当てるわたしの指先は、血で赤く染まっていた。
補足*
原作がディオの通りに進んでたらのIF話。
サクラちゃん、監禁フラグでした。
もうね、バッドエンドでしたね。
本編はバッドエンドにはしないように頑張るよ!うん!