最近仲良くなったエリナ。
すごく人の気持ちを考えられる子で、すぐに僕の気持ちに気付いた。


「ねぇ、ジョジョ。貴方の好きな人ってサクラでしょ?」
「えッ!」
「ふふ!やっぱり!」


イタズラが成功したような子どものような笑みで、クスクスと彼女が微笑む。なんでバレたんだろうか。隠していたつもりだったんだけど…


「ジョジョったら、わかりやすいんだもの。いつもサクラのことを話に出すと嬉しそう」
「そうかな…」
「ええ。今も、サクラのことで悩んでるのが丸わかりよ」


その言葉にビクッと身体を震わす。確かに僕はサクラのことで悩んでた。エリナはすごい。最近、サクラは僕のことを避けてる。家で僕と逢ってもすぐに目を逸らしてしまう。僕は彼女になにかしたのだろうか。それとも、やはりディオになにか言われたのだろうか。


「そんなに悩んでるなら、サクラに聞いたらどうかしら。」
「でも…」
「このままじゃ、一生サクラと話すことなんてできないわよ?」


その言葉が、僕を奮い立たせた。



腕の中にいるサクラを強く強く抱き締める。愛しい。彼女が、サクラ・ブランドーが。僕の身体に回されるサクラの腕。ああ、彼女も僕と同じ気持ちならいいのに。僕と同じようにドキドキと逸る心臓にそんな期待をしてしまう。


『ジョジョ、』
「サクラ…」


サクラにキスをしたい。サクラを僕のものだけにしたい。ずっとずっと、この時が続けばいい。サクラと僕とエリナ。三人で、仲良く幸せに暮らせたら。僕はディオにすべてを奪われた。けど、また友達が出来た。ううん、エリナのことは親友だと思ってる。男と女が友達だなんて、変に思う奴がいるかもしれない。けど、僕は彼女に友情を感じた。

彼女も、僕と同じ気持ちならいい。


『ごめんね…』


そんなことを考えていた僕は、サクラがなにかに謝ったことに気が付かなかった。


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