小川の側で小説を取り出す。ここらへんは風がそよそよと流れていて、とっても気持ちがいい。

そういえば原作でもこんな風景出てたなあ、なんて思いながら、一人でクスクスと笑った。





ペラリ、小説を捲る。小説の内容はベッタベタのラブロマンス。あんがい、おもしろくて夢中になる。

パキンッ

木の根を踏んだ、そんな音がして後ろを振り返る。振り返った先には、これまた美人な女の子。


「あ、ご、ごめんなさい!」
『?』


何故か顔を真っ赤にして謝られた。

とりあえずナンパしようと思う。
だって可愛いもん。本音?本音は…うん。友達欲しいんだ。わたし。ええ。友達いませんよ、わたしは。ふんっだ。


『ね、そんなところにいないで、隣においでよ。美味しいお菓子があるの。ね?』
「ぇ…」
『わたしも、一人はさみしいから。一緒にお茶しよ?』


立ち上がって、にっこりと笑いながら、女の子の手を引く。青い瞳が特徴的な優しげな女の子。

…?あれ?なんか見たことあるけど…
どこでだっけ?

まあ、なんでもいっか!


『あのね、わたしの名前はサクラ、サクラ・ブランドーっていうの。よろしくね。』
「サクラ…ちゃん?」
『ふふ、サクラって呼んでほしいな!』


上目遣いでわたしの名前を呼んだ女の子に、そうお願いする。前世から変わってないこの名前。同い年くらいの女の子に呼んでもらいたい。

そしてあわよくば友達に…!


「私は、エリナ、エリナっていうの。よろしくね、サクラ。」
『!うん!』


にっこりと天使の微笑みを見せてくれたエリナに、わたしも笑顔を返した。

初めての友達げっちゅ!


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