バタンッ!
大きな音を立てて扉が閉まった。
自分の部屋に入って、ベッドの上に沈み込む。
『(なにこれなにこれなにこれ!)』
ジョジョの優しいあの笑顔が頭から離れない。
いやいやいや!ちょっと待ってよ!
え?ウソ。ないないないありえない!
『(ジョジョが好きとか!)』
枕をギュッと抱き締めて起き上がる。
顔が熱い。心がキュッと締め付けられる。ありえない。ありえないよ!確かに、前世でジョジョは好きキャラだったけども!さすがに恋愛で好きとか…
『うん。ありえないありえない。』
「なにがだい?」
『ひっ!』
突然聞こえてきた声に、ビクリと肩が揺れる。声の聞こえてきた方に目を向けると、扉の前にはディオがいた。
『あれ?なんで…』
「姉さんが何度扉を叩いても返事をくれないから勝手に入ったんだよ。」
『ぅあ、ごめんね…』
どんだけテンパってたんだろ、わたし。My angel ディオの声も聞こえないとか…
「で、なにがありえないなんだ?」
『な、なんでもないから。気にしないで!』
ディオの言葉で思い出すのは、あの優しげなジョジョの笑顔。
うわあ…どうしよう。ありえない…
「…ジョジョと、なにかあったのか。」
『!違うから、だいじょーぶ。』
確信を持ったようなディオの声にビクビクしつつも、ニヘラとディオに笑いかける。
わたし、もう精神年齢三十路だよ?さすがに犯罪だよ、自分!ジョジョと自分の年の差を考えて、テンションが下がる。
……って、ダメなんだってば!考えない!
ブンブンと首を振って、煩悩を滅却。
すると、身体に圧迫感を感じてディオを見る。目が、合った。
「…姉さん、愛してる。」
『?いきなりどうしたの?わたしもディオのこと愛してるよ!』
「僕から、離れるなよ。」
『ディオは甘えん坊だねぇ。』
わたしを抱き締める甘えん坊ディオを撫でながら、わたしの頭の中ではジョジョのことがぐるぐると回っていた。