バクバクとわたしの持ってきたお菓子を食べてるジョジョを笑顔で見つめる。
やっぱりわたしの作ったものを嬉しそうに食べてもらえるのは嬉しい。
「サクラ!これ、すっごく美味しいよ!」
『ふふ、喜んでもらえてすごく嬉しい。』
「っ、」
『?』
「ぅ、あ、あのさ、サクラは…、いや、なんでもないや。」
『??』
なにかを言いかけたジョジョにはてなを飛ばす。
わたし、なんかしたっけ?
まあ、なんか可愛いからいっか!
ニコニコしながら、食べてるジョジョを見て、ふと思い出す。わたしって、この世界で誰かになにかを作ったことあったっけ?
『…あれ?』
「?どうしたの?」
『いや、そういえば初めてだなあ、って思って。』
「なにが?」
『わたしの手料理を誰かに食べてもらうの。』
ジョジョの口についてるお菓子の食べカスを口にいれながら、そう呟く。
そういえば、ディオにも食べさせたことないや。なんだか、初めてがジョジョって変なの。
「そっ、かぁ…」
『でも、ジョジョが美味しいって言ってくれてよかった!』
「ぼくも、サクラの初めての手料理を食べるのがぼくで嬉しいな。」
『へ?』
優しく優しく、ジョジョが笑う。
あったかい微笑み。
「きっと、サクラはいいお嫁さんになるよ。」
『う、あ、』
ぼんっ、とまるで熱があるかのように、顔が熱い。
なにこれなにこれ!
なんか異様に恥ずかしいよ!
『わ、わたし、もう行くから!お皿、お皿はあとでね!』
「え…、」
熱くなった顔を隠すようにして、わたしは慌ててジョジョの部屋を飛び出した。