ジョースター宅に住み始めてから約二週間。
ガシャッとした音を立てて、ジョジョの飲んでいたジュースのグラスが倒れた。
「ジョジョ!おまえ、それでも紳士か!作法がなっとらんぞッ、作法が!」
その瞬間、ジョースター卿の声が部屋に響く。
「もうジョジョの食器をさげたまえ!」
「えッ!」
「もう食べんでよいッ!ディオとサクラを見習え!二人の作法は完璧だぞッ!」
ごめんなさい、ジョースター卿。ディオは本物だけど、わたしの場合はチートです。前世の記憶があってよかったね!
なんて、考えながら、夕飯をもぐもぐと咀嚼。で、ごっくん。
『ジョースターさん、ジョジョに厳しすぎやしませんか…?』
「いや、私はあいつを少々甘やかし過ぎていた。」
『そうですか…』
それにしたって、さっきのジョジョの悲しそうな顔が忘れられない。ディオが来てから、ディオと比べられてイヤな思いしてるだろーなあ。
お昼も、ディオとジョジョで計算問題かなにか知らないけど勉強してて、怒られてたみたいだし…
うわあ、絶対イヤな想いしてるよ…
あとでなんか甘いものでも作って持ってってあげよう。
疲れたときには甘いもの!ってね!
うーん、なに作ろっかな。
クッキー?マドレーヌ?はたまたマカロン?
甘さは控えめの方がいーよねー?
やっぱクッキーかな。簡単だし、ココア味とバニラ味とああ!チョコチップもいいよね!
『ジョースターさん、あとでキッチンを借りてもいいですか?』
「うむ…ここはもう君の家だ。好きになさい。」
『わ、ありがとうございます!』
にっこり笑って、ジョースター卿にお礼を言った。