「姉さんは僕のモノだ。気安く話しかけるんじゃないぞ。」
ディオに言われた言葉が頭から離れない。
彼女、サクラ・ブランドーを一目見たとき、まるで心が撃ち抜かれたような気持ちだった。
サラサラと流れる綺麗な髪。優しく、なんでも受け入れてくれそうな微笑み。それからなんといっても、黒曜石のような瞳ッ!僕を見るその瞳に、僕は一目で虜になった。
一目惚れなんて、ありえない。
そう思ってたことが覆されたようだった。
僕は、確かに彼女に恋をした。
それを、あのディオは気付いたんだろうか?本人でさえ、戸惑う初めての気持ちに。
それに、僕を見るディオの瞳はとても、
ゾッとした。
あの瞳はどういう意味なんだろう。
まるで一人の女の人を見るように、サクラを見る瞳。
彼らは姉弟ではなかったんだろうか?
ディオのあの瞳は家族を見る目ではなかった。
わからない。わからないけど、ディオだけには負けられない。
だって、僕の初恋なんだからッ!
これから、僕とサクラとディオはこれからこの家に住む家族だ。
頑張って、仲良くなろう。
もしも、この初恋が叶わなくても、
僕は彼女と過ごした時間だけで、幸せを感じることができるだろうから。