そんなこんなで馬車で揺れること数時間。
目の前には大きな屋敷。

立派ですわー。おほほ。
うん。ちょっとだけ、お嬢様言葉練習してみた。わたしには合わないことが判明。うふ。

脳内でそんなことを一人で言っていると、馬車が止まってディオが先に下りる。


「姉さん。」
『ありがとう、ディオ。』


先に下りたディオが手を差し出してエスコートしてくれるのを、にっこりと笑って受けとる。うーん、紳士。さすがわたしの弟だね!

そんなことを思いながら、地面に足をつけると

ズキュゥゥウウンン

と、変な音。


『(え、なにこの音。)』


どこの効果音だっつーの!(牧野風)キョロキョロと辺りを見渡すと、あら可愛い子。
目がばっちり合うと、男の子はわたしにおそるおそると言った様子で近付いてくる。


「君は…」
「貴様!姉さんに近付くなッ!」


すると、男の子が近付く前にディオがわたしの前に出てきて、男の子からわたしを守るように立った。

うん?なんで?
そんな警戒しなくてもいいのに。

なーんて考えながら、なんだか見たことある男の子を観察。

観察してる中で思うのは、わたしがいる場所は本当に漫画の世界なんだなあ、ってことでした。


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