「おかえり、姉さん。」
『ただいま、ディオ。父さんの調子は?』
「ついさっき死んだ。」
『……………え。』
淡々とそんなことを言うディオにわたしが固まったのは言うまでもない。
〆
最近はめっきりちゃっかりしっかり、父さんの面倒はディオに任せっきりだったわたし。
仕事から帰ってきて、一番最初に言われたのはそんな言葉でした。
内心焦りながら、父さんの脈を診る。
『ほ、ほんとに死んでる…』
あれ?父さん、病気で死んだんだけど。あれ?あれ?ディオに殺されるんじゃなかったっけ?
グルグルとそんなことを考えていると、ディオが後ろからわたしをそっと抱き締めてくる。
「姉さん、これで姉さんを傷付けるやつは消えたな。」
『……へ?』
「ああ、アイツが最期に手紙を遺したんだ。僕たちのこと、ジョースター家のやつらが引き取ってくれるらしいぜ。」
『……….えッ?』
なんかディオから聞き捨てならない言葉が聞こえたような、そうでもないような。
あれッ?え、ジョースター家に行っちゃうの?ジョジョォ!出ちゃうの?
『(まさか…)』
ディオってば、父さんに毒飲ませた…?
あり得なくもない、その可能性にサーッと血の気が引く。
ダメだ、知っちゃダメだ。知ったら、きっと後戻り出来ない。
『…ディオ、とりあえず葬儀屋呼ぼう?』
「ああ、そうだな。」
わたしは自分でその可能性を潰した。
最愛の弟の罪を見ないフリしました。