着いた先はお台場の高層マンション。ここが私の家族の住んでいる場所。


『うぅ…恐い……』
「ほら、行け。」
「押すよ〜みたいなぁ」

ピンポーン

『うわぁぁあん!二人の鬼畜ぅぅう!!』


私が扉の前で考えてこんでいるとそんなのお構いなしに二人はインターフォンを押してしまった。ちなみにヤーモンは降ろしました。
うわぁぁあん!
そんなこと言っている場合じゃなくってよぉぉおぉ!!

私がこうしてぐるぐると混乱している間にもお母さんだと思われる人が「はーい」と言いながら扉に近づく音がする。


「どちら様です……え?」
『ぁ………』


出てきたのは私のお母さん。
私を見るなり驚いた顔をする。
何年も、あってなかった。
私の、血の繋がったお母さん。


「奈留、ちゃん?」
『ぁ…た、だいま、?』
「っ!奈留ちゃん!」


私の言葉にお母さんは涙を流しながら私を抱きしめてくる。


『…ごめんなさい、お母さん…』
「無事でっ、無事でよかったわ…!」


そんなお母さんに私もボロボロと涙を零す。あぁ、私、ちゃんと心配されてんたんだ。


『ごめんね、ごめんね。お母さん…泣かないで、』
「心配、したのよ…!急にいなくなって…!」


その言葉にすごく安心する。
でも、私は戻るしかない。
だってそれが、私の望む【軌跡】だから。私はデジタルワールドで、彼らを護りたい。だから、
私はお母さんをぎゅっと抱き返す。


『わ、たし…また、また戻ってくるから、また、その時に私の話聞いてくれますか…?たくさん、学んだの。たくさん、助けられたの。今は、戻るしかないけど、次は光子郎と一緒にこの家に帰ってくるから。』
「奈留ちゃん、?」
『ね、お母さん。行ってらっしゃいって、頑張ってって言って?私、そしたらちゃんと頑張れる。ちゃんと戻ってこれる。それだけで勇気100%だよ!』


ニコニコ笑いながらお母さんに言う。
私の身体はテイマーズに行った時と同じようにジリジリとデジタル化している。


「っ、」
『お願い、時間がないの。すぐ戻ってくるから…』
「行って、らっしゃい。頑張って…ね。それに…     」

私も、愛してるよ。


それを最後に私の身体はデジタルワールドに戻った。



mae ato
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