私たちがこうして話している間にもエテモンを取り込んだ闇がこちらに来る。
私は抱っこしていたタケルくんとトコモンを降ろして太一の方を向いた。


『太一、一緒に行こっ!』
「でもっ、」
『手、繋ご?自分の勇気を信じて。太一なら大丈夫!だって私たちが信じてるもんっ!』
「っ、そう、だよな。」


私と太一はぎゅっと手を繋ぐ。
一歩一歩闇へと近づく。
マリンエンジェモンは私を守るように私の肩で羽根を広げ、ベルゼブモンはエテモンに立ち向かうグレイモンと一緒に闇へと立ち向かう。
それでもやはりグレイモンでは敵わない、


「グレイモンっ、!」
『太一。落ち着いて。グレイモンを信じて。自分の中の勇気を信じて。』


信じたら世界は変わるんだよ。


「っ!」


太一が何かを決意したように目を瞑った瞬間に私と太一の紋章が光る。

太一の紋章は温かいオレンジに、私の紋章はなんににも染まってない純白に。


パァァァアア
「グレイモン、超進化ぁぁぁああ!!ーーーメタルグレイモン!」


その瞬間、私の目から涙が零れた気がした。

私がいてもいなくても物語は変わらないでしょう。
でも、それでも、私が彼らの心に住めるなら、彼らの心を癒せるなら、私のいる意味はある。

純白の光に包まれながら、私はただただ微笑んだ。



mae ato
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