マリンエンジェモンSide


ピッコロモンの結界から出てピラミッドについた僕たちは、近くにあった洞窟の中で奈留のそばに擦り寄って三日間過ごしていた。


「奈留、奈留…お願いだから目を覚まして…」
「頼むから、俺たちを見ろよ…」


奈留の目は確かに開いているはずなのに僕たちじゃない違うところを見てる。

僕たちに気づいてないんだ。


「奈留…僕たちには奈留が必要なんだよ…他の誰でもない泉奈留が必要なの…」
「お前じゃない泉奈留じゃないんだ…」


奈留がこうなったのは自分の知らないことが起こったから。

奈留の話ではティラノモンは一体だって言ってたから。

確かにティラノモンが一体だったら太一たちは勝てたけど、二体だったら太一1人じゃ無理だった。

でも、でも、奈留のせいじゃないはずだよ。

きっと奈留はずっと苦しんでた。
僕たちに話す前から、自分が泉奈留の居場所を奪ったんじゃないかって。

でも!僕たちといる時はニコニコ笑ってたから。
きっと奈留は記憶を取り戻してから自分の家族に負い目を感じてたんだ。

なんで、僕は気づかなかったんだろう…


「マリンエンジェモン…」
「……なぁに?」
「お前まで暗くなるな。奈留はきっと大丈夫だ。」
「……そう、だよね。うん。ごめんね。インプモン。」


僕たちは奈留を信じてる。
だから、きっと大丈夫だよね。
早く帰ってきてね、奈留。

それで僕たちに笑ってみせて。
僕は奈留の笑顔が一番大好きなの。

二人きりだった僕らに、光を与えてくれたのは、他でもない君だから。

mae ato
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