光子郎Side


どういうことだ?
なんで姉さんがベルゼブモンとマリンエンジェモンと一緒にいた?
二体は仲間?いや、でも、
そもそもあの二体のデータが取れない。


「光子郎!」
「え、あぁ。太一さんごめんなさい。なんですか?」
「だから、テントモンがマリンエンジェモンについてなら知ってるってよ。」
「本当ですか?!」
「少しだけやから、大切な情報やあらへんけど…」


姉さんがベルゼブモンと呼ばれるデジモンとマリンエンジェモンと呼ばれるデジモンに連れていかれたあと。

太一さんがティラノモンを倒してから、僕たちはピッコロモンの家に一泊するとピッコロモンに別れを告げて砂漠を歩いていた。


「マリンエンジェモンについてだけでいいです。教えてくれますか?」
「わかりました。マリンエンジェモンゆうんは、本来姿を見せずネットの海に漂う珍しいデジモンやさかい。だから、めったに見られるもんやないんや。」
「じゃあ、なんであのマリンエンジェモンは俺たちを守ってくれたんだ?」
「ヤマトの言う通りよ。あのデジモンが私たちを助ける理由なんてないはずよ。」


確かにそうですよね。
空さんとヤマトさんの言う通りあのデジモンが僕たちを助ける義理はないはずです。


「ぼ、ぼく知ってるよ!」
「トコモン!言ったら駄目なんじゃないの?」
「で、でもタケル…」
「トコモンは知ってるの?!お願い!ミミたちに教えて!奈留さんが大変なのよ!」
「僕からもお願いします。」


ミミさんと僕はトコモンに詰め寄って懇願する。

少しの情報でもいい。
姉さんに近づくためには知らなくちゃいけないんだ!


「あ、あのね、ぼくがパグモンに攫われたときに奈留とマリンエンジェモンとインプモンがぼくに会いに来たの。」
「「「「「「「インプモン?」」」」」」」
「たぶん、インプモンはベルゼブモンの前のデジモン!奈留はタケルたちと一緒なんだよ!」
「どういうことだい?僕たち以外にも選ばれし子どもはいたってことかい?」


丈さんの言う通りだ。
ゲンナイさんはそんなこと一言も言っていなかった。

それに、姉さんは僕たちよりもずっと前にこっちに来ていたはずだ。


「そうだと思う。奈留はぼくに紋章も見せてくれたから…」
「紋章…?奈留は紋章を持ってたのか?!」
「う、うん。それでね、ぼくが一緒に旅しようって言ったら奈留はみんなが紋章を集めたらって言ったんだ!」
「姉さんの意図はわからない…でも、あの二体とどういう関係なのかはわかりました。」
「どういうことだ!奈留は戦うのか?!あいつは、大丈夫なのか…、?」


太一さんはそう言って泣きそうな顔をする。

なんで、太一さんがそんな顔をするんですか。
姉さんは僕のだ。

そんなふうに叫びたい。でも、今はそれどころじゃないから。
とにかくやらなくちゃいけないのは、きっと、


「たぶんあの二体のデジモンは姉さんのパートナーです。」
「パートナーが二体?!そんなことありえるのかい?」
「ん〜俺もわかんねっ!」
「ゴマモンに聞いた僕が悪かったよ…」
「それでですね、姉さんに会うにはどちらにしろ紋章をあと二つ、空さんとタケルさんのですね、を集めなくていけないと思います。」


それにベルゼブモンが言っていた“助けを求められたら助けろ”という言葉も気になります。


「とにかく俺たちが紋章をすべて集めたら奈留には会えるし、奈留の今の状況も分かるんだよな?」
「はい。そうだと思います。」


太一さんの言葉にコクリと頷くと、みんなが笑った。


「太一太一!早く僕も奈留に会いたいなぁ〜!」
「あぁ!会わせてやるよ!」
「ガブモンやるぞ!」
「俺もヤマトたちを手伝うよ」
「ぼくも早く奈留さんに会いたいな!トコモンは会ったんでしょ〜?いいなぁ〜」
「奈留はね、とーっても優しかったよ!ぼく大好き!」
「空〜!奈留は空の親友なのよね〜?」
「ええ、そうよ!私の大切な親友!」
「パルモン!奈留さんはとーーーーーってもいい人なのよ!」
「えへへ!あたしも奈留と会うの楽しみー!」
「丈はさぁ、奈留のこと好きなの?」
「ご、ゴマモン!奈留くんは大事な後輩さぁ!」
「テントモン、よろしくお願いしますね。」
「わかってるさかい。光子郎はんの大事な姉さんや。協力しますで。」


姉さん。
僕たちはみんな姉さんが大切なんです。

イヤと言っても、僕たちは姉さんを離しませんから。

mae ato
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