『あっ!見えてきたよ!コロモンの村!』


サーバー大陸に降りてから私の記憶を頼りに選ばれし子どもたちが辿った道を三人で辿る。
すると、やっとコロモンの村らしきものが見えてきた。

まあ今はパグモンに乗っとられてるんだけどねん!

ちなみに空はもう真っ暗。
冷たい風が身にしみる。


「はぁ、やっとか。」
「コロモンの村に行くの?みたいな!」
『ううん!とりあえず私たちは近くにある滝に向お!』


私がそう言うと二人とも意味わかんないという顔をしていたので、それににんまり笑って返してあげた。


トコモンSide

「タケル…」


パグモンにやられていれられた牢屋の中で大好きなパートナーの名前を呟く。


「泣かないでトコモン…」
「そうだよ!きっと助けてくれるよ!」
「うん……」


一緒に捕まったコロモンに励まされる。

本当はコロモンの村だったのに乗っとちゃうなんてパグモンはやっぱりひどい奴だったんだ!

そんなことを考えていると近くから何か音がした。
どうしよう。悪い奴だったらやられちゃう…!

牢屋の中で身をぎゅっと縮ませて、目を瞑った。

タケル…!助けて…!


『あ、みっけ!』


女の子の声が、やけに大きく響いた。

声がして恐る恐る顔をあげるとそこにはタケルたちと同じ人間の女の子と僕が知らないデジモンがいた。


「き、キミ誰?」
『私?うーん……まあ、お姉さんとでも呼んでね!あ、敵ではないよん!で、トコモンくんは大丈夫?痛いとこない?』
「え…?」


お姉さん?はそう言って牢屋の外から僕の頭を撫でる。その時に、僕を縛ってる縄をお姉さんと一緒にいたデジモンが切ってくれた。

お姉さんの撫で方があまりにも優しくて、すごく落ち着く。


「お、お姉さん本当に悪い奴じゃない?」
『ないよー。証拠に…ほら。』
「そ、それ…!」


お姉さんが見せたのはタケルたちも持ってるタグ。

じゃあ、お姉さんも選ばれし子どもなのかな?タケルたちと仲間?

僕がそう聞くとお姉さんは悲しそうに笑うだけだった。


『あっ、この子たちが私のパートナーね!トコモンの仲間でもあるからよろしくねん!』
「インプモンだ。よろしくな。」
「マリンエンジェモンみたいなぁ」
「僕トコモン!よろしくね!」


ニコニコと微笑むお姉さんは、とても優しく僕の身体を撫でた。

やっぱり、その撫で方に僕はとても安らいだんだ。

mae ato
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