「その頃こちらマリンエンジェモンはみたいなぁ〜」


奈留の頼みで選ばれし子どもたちの偵察中みたいな!

僕の見ている方向には火を囲むようにして座っている七人の子どもの姿。
パートナーデジモンはみんな寝てる。

火を囲ってる姿がなんか恐いみたいな…



光子郎Side

「奈留がここにいるってゲンナイが言ってたよな」
「言ってましたね。」


太一さんの言葉に僕は同意する。
二年前から行方不明になっていた僕の義理の姉さん。
僕は姉さんが大好きで大好きで仕方なかった。
あ、もちろん恋愛の方ですよ?
兄妹でも血が繋がってないので結婚できますし。


「ここに、いたのか…」
「奈留がここにいるなんて…」
「奈留くんかぁ〜久しぶりだな〜」
「早く奈留さんに会いた〜い!」

「あれ?みんな奈留のこと知ってんのか?」


僕が姉さんに会える喜ぶを噛み締めていると、他の人も姉さんを知っていたらしいことに驚く。


「皆さん、姉さんのことを知っているんですか?」
「ええ。小学校も一緒だったし私の大切な親友よ」
「! じゃあ、姉さんがよく言っていた“そら”は空さんのことだったんですね」


姉さんがまだ僕のそばにいたころ、よく母さんや父さんに友達のことを話していたけど、それが空さんだっただなんて…


「俺はクラスが一緒だったからな」
「ヤマトさんと?」
「あぁ。」


そう言うヤマトさんは慈愛のようなものに満ちていて、

ちょっとムカついた。


「では、姉さんはサーバー大陸にいるそうなので、姉さんを探しだすことも目的にいれていいんですよね?」


皆さんが何故姉さんを知っていたのか一通り聞き終わって、僕は話を変える。
タケルくんだけは姉さんを知らないようでした。

危ないのは太一さんとヤマトさん。
絶対に姉さんは渡しません。
姉さんと同じ年齢だし、二人の目は完全に好きな人を見る目でした。

姉さんは僕のです。

「わかった!」と、皆さんが大きな声で肯定の声を上げたとたんに近くの草むらから物音がした。


「誰だ!!」
「…………ヤバいみたいな」


太一さんが声をあげると草むらにいた影はぼそりと何かを呟いてから、そこから逃げて行った。

桃色の羽根がついているデジモンだった。

mae ato
(12/47)

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -