始まる。
運命が動き出す。

だから、


『私は君のこと嫌い。大嫌い。だから、君は私のこと好きになって。愛してよ。私だけを愛して愛して哀して、愛して。それが君の役目でしょ?私に買われたんだから。私のモノだよ、君は。私だけの、お人形さん。その瞳も唇も鼻も髪も身体も、君を形成するすべてのものが私のモノ。』


涙を流しながらモルジアナに言う。
愛しくて哀しくて愛しくて。

あぁ、なんでわたしは女なんだろう。
男なら、あいつと同じ男なら、わたしはモルジアナを女にできたのに。


「ラミア、さ、ま?」
『嫌いだよ、モルジアナ。』
「!」


そう呟いて、モルジアナを押し倒しながら唇にキスを落とす。

わたしはモルジアナが嫌いだよ。
でも、それ以上に愛してる。

矛盾した気持ち。

モルジアナはいつか男を好きになる。
それを考えるだけで男に殺意が湧く。

わたしはもう死ぬのにね。


『ん…ちゅ…』
「ふぁ…んぅ…」


モルジアナの舌を自分の舌で絡め取る。
それだけでわたしの下半身は疼く。

モルジアナが可愛くて可愛くて、もっともっと犯したくなる。

けど、

『…』
「…?」


唇を離して、モルジアナを見つめる。

きょとんとしたモルジアナに、キスしてた時に収まった涙がまた零れそうになる。


『モルジアナ…』
「なんですか…?」
『ごめん…ごめんね…』


胸が締め付けられるように痛い。

死にたくないんだ、本当は。
けど、わたしは死ななくちゃいけない。

それが、運命。


「ラミア様…、泣かないで、ください…」
『っ、モルジアナ…っ』


モルジアナがギュッとわたしを抱き締める。
それにビクリと身体を揺らしながらも、喜びは隠せなくて。

けど、次に出た言葉にわたしは絶望を感じるんだ。


「愛してます。私は貴方を愛してますから。」
『っ!ごめん…っ、』


無理矢理モルジアナにこんなことを言わせて、辛い顔をさせて。

ただ好きだった。愛してた。


『わたしを、嫌いになって…!』


縛ってごめん。狂ってごめん。

生きてて、ごめんなさい。





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -