間違った道をただただ進む。 この先にあるものは絶望だけ。 それを知ってもなお、わたしは進む。 アリババ・サルージャは運命の通り、わたしに嘘を教えた。 それを信じた(ふりをした)わたし。 もう、アリババ・サルージャは宝物庫の前にいるんだろう。 あの青いマギはアリババ・サルージャと合流できただろうか。 ……モルジアナを、笑わせることが出来たのかな。 もしも、わたしがあの青いマギならば、わたしはモルジアナと自信満々に日の光を浴びることができた。 もしも、アリババ・サルージャならば、わたしはモルジアナを王妃として国の頂点に立たせてあげられた。 わたしにはなにもない。 なにも、ないんだ。 『ごめん、ゴルタス。わたしは君になにもしてあげられないよ。』 「……」 『戻ろう。そろそろ、モルジアナがわたしたちを呼びにくる。』 ギュッとゴルタスの手を握る。 幼い頃からともにあった彼は、恨み言一つ言わずにわたしについてきてくれる。 もっと、自分の考えをいうべきなのに。 でも、そのゴルタスを縛ってるのはわたしなんだ。 「ラミアさま!」 『モルジアナ…』 「あの、」 『大丈夫。ごめんね。』 何かを恐れる瞳を見せるモルジアナに、笑ってほしくて、 フワリと優しく微笑む。 ねぇ、笑って。 「何故、謝るの…」 わたしは自分のことで精一杯で、 モルジアナの本当の気持ちなんて知らなかった。 |