大規模な世界旅行にご招待!
はてさて。
元人類で、現旧人類であるわたしです。
ちょっとした好奇心から、首を掻っ切るなんて偉業をなして、この世界に来ました。
まあ、お得意の順応力で余裕のよっちゃんでしたけど。うそです。いろいろ擦れちゃったりしました。
だって、わたしってば主人公の女の子に成り代わっちゃったんですよ?それはもう、擦れますわ。
性格はあの子と似てますけど、わたしなんかが人の生命を奪ったって考えると…。
まあ、それもいい思い出。
「……(これ)」
そんな黄昏モードなわたしに話しかけてきた助手さん。
その手には、ヘンテコな機械が一つ。
某猫型ロボットの話に出てくる独裁スイッチを思い出しました。
『なんですか、それ?』
「……?(妖精さんが持ってたよ?)」
『いやーん。』
イヤな予感しかしない代物ですよ。
なんでそんなもの受け取っちゃったんですか。
『返してきてください。』
「……(悲しげ)」
『妖精さんの作ったものですよ?!危ないに決まってるじゃないですか!』
「……?(ほんとにダメ?)」
ウルウルとわたしを見上げる助手さん。
可愛い、可愛いですけども。
『うぅ…』
「……?(どうしたの?)」
『とりあえず、妖精さんを呼びましょうか。』
ポケットにはいつもの金平糖。
妖精さんを呼ぶための必須アイテムとなります。
「よばれて」「とびでて」「じゃじゃーん」
「なにかごようですな」「こたえてみせようぞです?」
『貴方たち、元気ですねぇ…』
どこから来たのか、ぽぽーん!と現れた妖精さんたち。
それにしたって可愛いな、この子たち。
この子たちを見てると、すごく癒されます。
まあ、その可愛い見た目に反して、やってることは恐ろしいんですけど。
『あのですね。助手さんに渡した機械について知りたいのですが。』
「なんです?」「しらぬです」「知ってたりするです?」
『どっちなんですか。それ。』
通常運転な妖精さんたち。
はっきりと言ってるの、一人だけしかいない。
「これをーこーするです」
『え?あ、ちょ!』
「いろんなところにいけるちょーすごいものだったり?」「そんなかんじ」「ですな」
『なんですとぉぉおお!!!』
ポチ。
妖精さんがそのスイッチを押したとたん、わたしと助手さんと妖精さんたちは光に包まれた。
「ゆめのせかいりょこうごしょうたいです?」「それ、ぼくらつくったちがいますけどー」「たのまれたりしたです」「ずっとにんげんさんといっしょ、たのしいです」
眩しさに目が眩む中妖精さんたちが、そんな話をしてるのを確かに聞いた。
妖精さん(?)のプロデュース!
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