冒頭から生命の危機です。


落ちてます。
ものっそい勢いで落ちてます。


『ちょ!これはダメでしょ!妖精さん!なにか、飛べそうなものは?!』
「やくたたずなぼくらでごめんなさい…」「たべます?」「やくたたずはほろぼします?」「にんげんさんにたべてもらえるなら…」「きょうきらんぶかも?」
『らめぇぇえ!!』


妖精さんたちには頼めないことがわかりました。
てゆーか、食べませんからね!

チラリ、助手さんを見る。
わぁ。とても楽しそうですね!


『ちょ、どうするんですか!』
「………(任して)」
『任してって…助手さん、なにするつもりですか?!』


手をパタパタし始めた助手さん。
あぁ、それでなにをしたいか少しでもわかってしまう自分が憎い…!


『人間は、飛べません!』
「……(悲しげ)」
『あわわ。本気でどうしましょう!』


全員、役に立たないことがわかりました。

ああ、また短い人生でした。
今度は資源物資が豊富な普通の世界に生まれたいです。
できれば、助手さんと妖精さんたちも一緒にいたいです。


『って、あれ?』


なんだかおかしなことに気付きました。
助手さんを見ると、上に【設定】というテロップみたいなのが見えるのです。

とりあえず、押してみました。


助手さん
設定 ▼
特典 どこの世界でも君は最強 オン オフ


『……えいっ!』


特典 どこの世界でも君は最強 オン オフ


「……?(どうしたの?)」
『…なんにも起こらないじゃないですかぁぁあ!!』
「このままだと、ぐっちゃぐっちゃですな」「にんげんさんとなら、わるくないかも?」「むしろ、ほんもう」「ぐちゃぐちゃにして!」「よろこびがからだをしはいするー」


とっとと死ぬ気モード(某サイヤ人ヘアーの男の子がマフィアになるお話ではありません)に入ってる妖精さんはスルーで。

もうすでに木がたくさんある地面に辿り着こうとしてます。
ああ。わたしは一度死んでいます。死ぬことに恐怖はあまりないです。だから、どうか助手さんと妖精さんたちは助かりますように…!

近くにいる助手さんと妖精さんたちをギュッと抱き締めました。


「……(いける)」
『へ?』


逆にわたしが助手さんに抱き締められたと思った瞬間、助手さんはものの見事に着地してくださいました。



生命の危機は無事脱出!

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テーマ「人外ファンタジー」
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