アラジン 2歳


「まんま?」
『かーわーいーい!ウーゴくん、聞いた?私のことまんまだって!お母さんだって!』


だんだんとアラジンは喋れるようになってきた。それに、ミルク離れもして離乳食も食べられるようになったし。

あぁ、それにしたって、私のことお母さんだと思って貰えるなんて嬉しい!


「アラジン、アラジン、俺は?俺のことは?」


ワクワクと期待したようなウーゴくんが、私の腕の中にいるアラジンに聞く。

すると、アラジンはにっこりと笑って答えた。


「うーく!」
「なんでパパじゃないの?!」
『ふふ。』


二人とも可愛い。


『あ、ウーゴくん。地図持ってきてもらってもいい?』
「うん。ちょっと待っててね。」


この部屋に来てから一年が過ぎた。
この世界のこともだいぶ分かった。

それにしても、人間ってずっと部屋の中にいても生きていられるものなのね。

あと、何故かわからないけど、幼くなってたのは驚いた。
まあ、困ってはないからいいのかな。あ、でも、やっぱり前の身体の方が、アラジンを抱き締めるのによかったかなぁ。


「はい。花。」
『ありがとう。』


にっこりと笑ってウーゴくんにお礼を言って、地図を広げる。

最近、煌帝国という国が力をつけていると聞いた。
他国を自分の植民地として納め、領土を増やしているらしい。
なんだか、不思議。
私の知らないところで、そんなことが起こってるなんて。

私のいるところは聖宮と呼ばれ、人の出入りが出来ないところって聞いた。
それ以上は教えられないみたいで、ウーゴくんが困っていたけど。


「まんま、」
『ん?どうしたの?』


地図を眺めて、土地勘をつけていると、アラジンがはいはいで私のもとまで来て、私の服の裾を引っ張った。


「アラジン、俺と遊ぼうよ。」
「やー!」
『ふふ。アラジンは甘えん坊ねぇ。』
「きゃーっ!」


アラジンを抱き上げて、ギュッと抱き締めると、嬉しそうに声をあげるアラジンが可愛らしい。

アラジンに相手されなかったウーゴくんが、さみしそうにアラジンを見てるのも可愛らしい。


『アラジン、ウーゴくんにも優しくしてあげなくちゃダメだよ?ウーゴくん、さみしいって。』
「まんま!」
「花は本当、アラジンに懐かれてるよね。」
『ふふ。ウーゴくんも懐かれてるよ。それに、男の子はお父さんよりもお母さんが好きになるから。』


そう言うと、なぜか顔が真っ赤になるウーゴくん。

ウーゴくんはとっても恥ずかしがり屋さんみたいで、私とちゃんと話せるようになるまで時間がかかった。

そんなところも可愛いけど。


「俺が、お父さんで、花がお母さん…」
『そう考えると、私とウーゴくんって、夫婦みたいだね。』
「ふっ?!」
『今夜は子作りでもする?』
「!!!?」

『あらまぁ。倒れちゃった。』
「きゃっきゃっ!」


ちょっとだけからかったら、ウーゴくんはタコみたいに顔を真っ赤にして倒れちゃいました。

やっぱり可愛いよねぇ。

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