4
アラジン 2歳
「まんま?」
『かーわーいーい!ウーゴくん、聞いた?私のことまんまだって!お母さんだって!』
だんだんとアラジンは喋れるようになってきた。それに、ミルク離れもして離乳食も食べられるようになったし。
あぁ、それにしたって、私のことお母さんだと思って貰えるなんて嬉しい!
「アラジン、アラジン、俺は?俺のことは?」
ワクワクと期待したようなウーゴくんが、私の腕の中にいるアラジンに聞く。
すると、アラジンはにっこりと笑って答えた。
「うーく!」
「なんでパパじゃないの?!」
『ふふ。』
二人とも可愛い。
『あ、ウーゴくん。地図持ってきてもらってもいい?』
「うん。ちょっと待っててね。」
この部屋に来てから一年が過ぎた。
この世界のこともだいぶ分かった。
それにしても、人間ってずっと部屋の中にいても生きていられるものなのね。
あと、何故かわからないけど、幼くなってたのは驚いた。
まあ、困ってはないからいいのかな。あ、でも、やっぱり前の身体の方が、アラジンを抱き締めるのによかったかなぁ。
「はい。花。」
『ありがとう。』
にっこりと笑ってウーゴくんにお礼を言って、地図を広げる。
最近、煌帝国という国が力をつけていると聞いた。
他国を自分の植民地として納め、領土を増やしているらしい。
なんだか、不思議。
私の知らないところで、そんなことが起こってるなんて。
私のいるところは聖宮と呼ばれ、人の出入りが出来ないところって聞いた。
それ以上は教えられないみたいで、ウーゴくんが困っていたけど。
「まんま、」
『ん?どうしたの?』
地図を眺めて、土地勘をつけていると、アラジンがはいはいで私のもとまで来て、私の服の裾を引っ張った。
「アラジン、俺と遊ぼうよ。」
「やー!」
『ふふ。アラジンは甘えん坊ねぇ。』
「きゃーっ!」
アラジンを抱き上げて、ギュッと抱き締めると、嬉しそうに声をあげるアラジンが可愛らしい。
アラジンに相手されなかったウーゴくんが、さみしそうにアラジンを見てるのも可愛らしい。
『アラジン、ウーゴくんにも優しくしてあげなくちゃダメだよ?ウーゴくん、さみしいって。』
「まんま!」
「花は本当、アラジンに懐かれてるよね。」
『ふふ。ウーゴくんも懐かれてるよ。それに、男の子はお父さんよりもお母さんが好きになるから。』
そう言うと、なぜか顔が真っ赤になるウーゴくん。
ウーゴくんはとっても恥ずかしがり屋さんみたいで、私とちゃんと話せるようになるまで時間がかかった。
そんなところも可愛いけど。
「俺が、お父さんで、花がお母さん…」
『そう考えると、私とウーゴくんって、夫婦みたいだね。』
「ふっ?!」
『今夜は子作りでもする?』
「!!!?」
『あらまぁ。倒れちゃった。』
「きゃっきゃっ!」
ちょっとだけからかったら、ウーゴくんはタコみたいに顔を真っ赤にして倒れちゃいました。
やっぱり可愛いよねぇ。
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