2
アラジン 1歳
初めて出逢った時、ときめいた。
『ふふ、可愛い。』
まだ小さな身体を抱き上げる。
すると私の胸に手を伸ばして、小さな口を開けた。
『あらまぁ。お腹空いちゃった?』
「あー」
そう言って、さらに胸から乳を出そうとするので、さすがに困る。
うーん。
とりあえずミルク作らないと。
でも、台所ってどこにあるんだろ。
キョロキョロ辺りを見渡すと、この煌びやか部屋には似合わない台所があった。
『あ、あそこかぁ。じゃあ、アラジン。ちょっと待っててね。』
アラジンをベッドの上に戻して、台所に向かおうとする。
けれど、アラジンは私の服から手を離さず、うるうると目が潤み始めた。
あ。って思った時は遅かった。
「うっうぎゃぁぁああんんん!!」
大きな声が部屋に響く。
あらまぁ。どうしよう。
アラジンを腕に抱いて宥めると、すぐに泣き止んだけど、これじゃあいつまで経ってもミルクを作りに行けないや。
『紐なんてあればいいんだけど…』
「う?」
『ねぇ、アラジン。私、ミルク作れに行けないよ?』
「あぶ。」
『うーん…私の胸からミルクは出ないんだよねぇ。』
胸をちゅぱちゅぱするアラジンに苦笑しつつ、どうしようか考える。
すると、横からスッとミルクが出てきた。
「あの…ミルクなんだけど…」
『ん?あらまぁ。どちら様?』
そこにはだいぶ青い人がいました。
とりあえずお礼を言ってミルクを受け取って、アラジンにミルクをあげる。
「んっ、」
『ふふ。たくさん飲んでね。』
コクコクとミルクを飲むアラジンの頭を撫でる。
かーわーいーいー。
ミルクを飲んでるアラジンに、思わず笑みが零れた。
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