アラジン 1歳

初めて出逢った時、ときめいた。


『ふふ、可愛い。』


まだ小さな身体を抱き上げる。
すると私の胸に手を伸ばして、小さな口を開けた。


『あらまぁ。お腹空いちゃった?』
「あー」


そう言って、さらに胸から乳を出そうとするので、さすがに困る。

うーん。
とりあえずミルク作らないと。
でも、台所ってどこにあるんだろ。

キョロキョロ辺りを見渡すと、この煌びやか部屋には似合わない台所があった。


『あ、あそこかぁ。じゃあ、アラジン。ちょっと待っててね。』


アラジンをベッドの上に戻して、台所に向かおうとする。
けれど、アラジンは私の服から手を離さず、うるうると目が潤み始めた。

あ。って思った時は遅かった。


「うっうぎゃぁぁああんんん!!」


大きな声が部屋に響く。

あらまぁ。どうしよう。

アラジンを腕に抱いて宥めると、すぐに泣き止んだけど、これじゃあいつまで経ってもミルクを作りに行けないや。


『紐なんてあればいいんだけど…』
「う?」
『ねぇ、アラジン。私、ミルク作れに行けないよ?』
「あぶ。」
『うーん…私の胸からミルクは出ないんだよねぇ。』


胸をちゅぱちゅぱするアラジンに苦笑しつつ、どうしようか考える。

すると、横からスッとミルクが出てきた。


「あの…ミルクなんだけど…」
『ん?あらまぁ。どちら様?』


そこにはだいぶ青い人がいました。

とりあえずお礼を言ってミルクを受け取って、アラジンにミルクをあげる。


「んっ、」
『ふふ。たくさん飲んでね。』


コクコクとミルクを飲むアラジンの頭を撫でる。

かーわーいーいー。
ミルクを飲んでるアラジンに、思わず笑みが零れた。



|


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -