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『あらまぁ。ここ、どこだろう。』
目が覚めると、なんだか見たこともない部屋にいた私。
それにしても煌びやかな部屋。
ボーっとしながら、そんなことを考える。あ、でも、ここがどこかも考えないと。
《君が、我らがソロモンに呼ばれた子かい?》
『?』
ここがどこか考えながら、部屋の中を弄っていると、何処からか声が聞こえてきた。
キョロキョロと辺りを見渡すけれど、声の主は見当たらない。
《君に、頼みがあるんだ。とっても大切な頼みごと。君じゃなきゃ、駄目なんだ。》
『あらまぁ。それは大変ですね。私でよかったら聞きますよ。』
《……君、軽いね。》
『?困った人がいたら、助けないといけないでしょう?』
《ふふ。ソロモンに選ばれたのが、君でよかったよ。》
彼?の言っている意味は、わからないけれど、褒められてるんだと分かって、笑みを零した。
《頼みごとっていうのは、我らが愛しきソロモンの移し身を育てて欲しいんだ。》
うん。誰のことだろう。
《えっと、まだ小さな子どもなんだ『育てます。』えっ、決断早いね。》
『はい。私、子ども好きなんです。』
そう言って、にっこりと微笑んだ。
子どもは天使です。
庇護するものなのです。
《そう言ってくれて助かったよ。》
『いえいえ。大丈夫ですよ。』
《お礼と言ってはなんだけど、この世界で、君を傷付けられないようにしてあげるね。》
その言葉に首を傾げる。
それは一体どういうことなんだろう。
いろいろ、不思議なこと多いなぁ。
《君はこれから、ルフたちが護ってくれる。君がこの世界で怪我を負うことはないよ。》
『…あの。この世界って、どういうことですか?』
《えっ?》
『え?』
《……そうだよね。あのね、この世界は、君から見ると異世界なんだ。》
『………あらまぁ。』
かくして私は、何処かもわからない場所で、子育てすることになりました。
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