病んじゃったウーゴくん 2
涙を流して私に懇願するウーゴくんの顔にそっと身体を寄せる。
私の手のひらより大きな涙の雫が、ウーゴくんのさみしさを表す。
彼はアラジンが来るまでこの部屋で、ずっと一人でいたのかな。
このなにもない部屋で、アラジンを待ち続けて、ずっと一人で。
涙を流すウーゴくんが愛おしい。
『ウーゴくん…』
「花、花、」
まるで子どものように、私の名前を必死で呼び続ける彼が、愛おしくて、可愛くて。
ああ、泣かないで。
『ウーゴくん、私行かない…行かないよ…ずっと、ウーゴくんといる…』
「花、?」
『好きだよ、大切だよ。ウーゴくん。私、ウーゴくんを愛してるの。』
私だけを呼び続けてくれるウーゴくんに愛おしさが湧く。
ああ、そういえば、この世界に来てから、ずっと私を支えてくれたのはウーゴくんだった。
そんな彼を、どうして一人にできようか。
「花、」
『泣かないで…』
「俺もっ…、俺も、花を愛してるから…」
涙がこぼれる。
きっと、誰かが見たら、私たちのは愛じゃない。ただの依存だと言って笑うかもしれない。
でも、私たちは確かに求めあってて、
『ウーゴくん、』
「花、本当に愛してるんだ、好きで、愛おしくて、壊したくて、」
『うん』
「どうにか、なりそうなんだ…!」
ウーゴくんの顔をギュッと抱き締める。
私のやれることはこれだけしかない。
ねえ、私も、ウーゴくんのこと愛してるから。
『私が、ウーゴくんとずっと一緒にいるから。さみしがらないで。泣かないで。』
『愛しあおう』
ごめんね、アラジン。
私、ウーゴくんをほっとけないの。
私を支えてくれたウーゴくんをほっとけない。
涙を流す彼の頬にキスをしながら、自分もまた涙を流してることに、私は気がつかない。
*こんなこともあるかもしれなかったんだよ。
ウーゴくんの一人勝ち。
たぶん、夢主が聖宮から出るとき、本気でウーゴくんが止めてたら、こんな終わりになってたかもしれないね。
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