夢主がちっこくなってん

『……あらまあ。』


もみじのような手に、すべすべの肌。ぺったんこな胸に、目線の低い身長。

…何故か、小さくなっちゃったらしい。


「花…か?」
『あらまぁ。シンドバッドさん。』
「……か、」
『か?』
「可愛いな!!」
『?』


興奮したようなシンドバッドさんがわたしを抱き上げて強く抱きしめる。シンドバッドさんの髪がちょうど首に当たって少しくすぐったい。


『シンドバッドさん?』
「なんで小さくなったんだ?」
『それはわかりませんけど…ふふ、シンドバッドさんに抱っこされてると、視界が高くていいですね』


いつもより高い視界が新鮮でとても楽しい。
それにシンドバッドさんの顔が近くて話しやすいなあ。


『ふふ、シンドバッドさんの髪色は綺麗ですね。うらやましい。』
「そうか…?花の黒い髪も綺麗だ」
『お世辞でもそう言っていただけると嬉しいですね。』
「お世辞じゃないさ。本当に綺麗だ」


そう言うと、私の髪に口付けを落としたシンドバッドさんに少しだけ頬が熱くなる。

シンドバッドさんってキザだなあ。
周りにそんな人いなかったから、絶対顔赤いや。


『ふふ、なんだか恥ずかしいですね。』
「……花、」
『?』


シンドバッドさんに名前を呼ばれて、シンドバッドさんの方を見る。

あ、顔が近い。


ボンッ!

「うぉっ、」
『わっ、』


シンドバッドさんと顔が近くなったと思ったら、いきなり私の身体が元に戻って、バランスを崩して二人して倒れ込む。


『し、シンドバッドさん?!大丈夫ですか?!』
「だ、大丈夫だ。それより、花に怪我はないか?」
『はい。シンドバッドさんのおかげです。ありがとうございます』


小さな身体の私を抱っこしていたシンドバッドさんは、倒れ込む時に私の下になるように倒れてくれたので、私には怪我はない。

やっぱりシンドバッドさんって、女の人に優しいんだね。


『でも、シンドバッドさん。』
「ん?なんだ?」
『女の子に優しくするのもほどほどにしてくださいね?』

一番好きな人に好きって気付いてもらえませんから!

「……ああ、よーくわかったよ」


ニコニコと笑う私の前で、シンドバッドさんが遠い目をしていたことには気づかない。



*着々と夢主はフラグ立てるね。
そのくせ、ボッキボキに折るね。

なんかなにが書きたかったのかわからないや…

とりあえず、シンドバッドを出したかった。

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