19

ウーゴくんとアラジンに助けを呼びたい気持ちです。


「なんだァ、この女!」
「ぶっ殺すぞ!」
『…あらまあ。』


ちょっと自分でも予想出来ないことだったので、驚いて口を手で隠す。もちろん、片方の腕では人質にされてた子どもをしっかりと抱いて。


「…で、」
『大丈夫。安心してね。』


可愛らしい顔立ちをした男の子か女の子かわからない子どもにそう言って頭を撫でてから、強盗を見て、子どもの親であろう裕福そうなお家の家主を見る。
家主は興味なさげにこちらを見てた。
チラリ、子どもの身体を見る。煌びやかな服の下に見える身体に見えるのは痣。


『……』
「聞いてんのか、女!!」
『あ、はい。』
「今ならよォ、生かせてやるよ。さっさとそのガキ返せや!!」
『………』


もう、これは、うん。
逃げるしか、ないよね?

子どもを抱き上げて、立ち上がる。
あ、今まで下敷きにしてて、ごめんなさい。強盗さん。と、体当たりをしてしまった強盗にペコリとお辞儀する。
すると、ジャラリ。子どもから鎖の音が聴こえた。


『あらまあ…』


とりあえず。
逃げてしまおう。



『はぁっ、はぁっ、』
「待ちやがれぇぇええ!!!」


私を知ってる人たちの協力の甲斐あって、なんとか逃げてる私たち。
子どもは心配そうな瞳で私を見る。

こんなときに不謹慎だけど、可愛い…!


「逃げんなって、姉ちゃん」
『きゃあっ!』


そんな不謹慎なことを考えていると、回り道をされたのか、強盗@が私の目の前に立った。後ろからは強盗Aと強盗Bが。

ツツーッと冷や汗が頬を伝う。


「ヘヘッ、もう逃げらんねぇぞ?」
『っ、』


暗い路地裏。
子どもを背中と壁に挟むようにして、強盗さんから庇うようにする。

小さな子どもは、未来。

そう、教わった。それに、ここでこの子を見捨てて逃げたら、アラジンたちに合わせる顔がない。


「死ね。」


振り下ろされる凶器から、子どもを庇うようにこの子の頭を抱えて、目を瞑った。


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