14.5
死んで、欲しくなかった。
知らない子たちでも、生きてればいいことがあったかもしれない。
一度だけ。一度だけ、死んでしまいたいって思ったことがある。
弱い私はこうして生きているけど。
自ら死を選んだ彼は本当に強い人だと思う。優しくて、強い、立派な人。
すべての人に死んでほしくない、とは言わない。けど、出逢った人の幸せを願うこともは許されないのかな。
…偽善、なのかな。
私ね、愛されないことは絶望だと思うの。
誰かに少しでも感心を持たれたら、それは愛。
嫌悪でも憎悪でも、誰かの心の中に残れることを、私は愛って呼びたい。
愛の反対が無関心。なら、無関心じゃないってことは、少しでも愛があるんでしょう?
私は両親に《愛》をもらえなかったから。
《愛》って、なんなんだろう。
私は愛を知らないよ。でも、知りたいから。だから、私は愛すの。
ああ、なら、私の気持ちはすべて偽善だね。
だって、愛をもらえなかった私が幸せを願うこと自体が、うわべだけの善意だもん。
でも、それでもいいの。
どうか、どうか、死んでしまったであろう彼らが、来世は幸せでありますように。
なんだか、ウーゴくんに逢いたいや。
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