18
『これでいいかな。』
お買い物リストを確認してから、買い物袋を確認して、うんと頷く。
お買い物終了。
商店街を歩く。ガヤガヤと活気が盛んな煌帝国を見ると、ここは恵まれてるなあ、って思う。
「ーー!!!」
ふと、叫び声が聴こえた気がして、立ち止まる。
?なんの声だろう?
気になって、その声がする方までフラフラと歩く。
…ちょっとだけ、ちょっとだけ寄り道しても許されるよね?
おかみさん、ごめんなさい。
心の中でそんな懺悔をして、そろそろと近付く。
『っ!』
「金を出せェ!!」
「このガキがどうなってもいいのかよお!」
そこでは、強盗(?)が裕福そうなお家を襲っているところ。目が虚ろなモルジアナちゃんと似てる子どもが人質となっていて。
『ど、どうしよ…!』
アワアワとその場で焦る。
ウーゴくんがいてくれたらいいのに!そしたら、きっと助けられる。今、私がいってもきっと足手まといになる。
キョロキョロとあたりを見渡す。
周りの人は関わりたくないとばかりに目を背けてる。
どこの世界でも、それは同じだった。
虚ろな目がこちらを見る。
「 。」
『ーーーっ!』
子どもが人質になってる、なんて見逃せるわけない。
自分で育てたアラジンの屈託の無い笑顔と、ウーゴくんの優しい笑顔を思い出して、
私は強盗に体当たりして、子どもを奪ってた。
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