17

「死ねぇぇえ!!」
『ーーっ!』
「おねえちゃああん!」


小さな子を護れるなら、それでいいの。
たとえ私が死んでも、その命は続くから。

そう、思ったの。

あ、私のことがトラウマになったらどうしよう。


なんて、のんきなことも考えて。





『……?』


なんだか変な夢を見た気がする。
まだ眠気でボーッとする頭を起こして、早く仕事に行かなくちゃと寝癖を鏡でチェック。

ちなみに、住み込みで働かせてもらってます。女将さんと大将がいい人でよかったよかった。


『女将さん、買い物行ってきますね。』
「あいよ!花ちゃんが来てくれて、大助かりだわー!」
『ふふ、そう言ってもらえると嬉しいです。』


そう言ってふわりと微笑んでから、私はお店を出た。

ちゃんと「いってきます」も忘れない。


「あ、花お姉さんだあ!こんにちわー!」
『はい、こんちにわ。』


外に出ると、小さな子たちが私に駆け寄って挨拶してくる。
可愛いなぁ、なんて思いながら子どもたちににっこりと笑顔を返す。


「お姉さん、今日は遊んでくれないの?」
『うーん、ごめんね?お姉さん、今からお買い物頼まれてるの。』


グリグリと私に駆け寄ってきた男の子と女の子の頭を撫でながらそう話すと、ちょっとだけ悲しそうにしながらも、すぐに笑顔を返してくれる。


「じゃあ、また一緒に遊んでね!」
「いろんなおはなし、またききたいな!」
『ふふ。仕事が終わったらね』


私の言葉ににっこりと笑顔を見せてくれた子たちに、可愛いなぁ、なんて和みながら、私は買い物に向かった。

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