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“娘娘(ニャンニャン)”というお店で働き始めてもう二ヶ月。
看板娘なんて言われるようになりました。

看板娘なんて言われるような年齢じゃないのは黙っておこうと思う。
私のためにも、私を可愛がってくれる人たちのためにも。

一週間もすると、いろいろなことに慣れてきて、いろいろなことを理解した。
まず、ここは煌帝国の一角にあるお店だったらしい。煌帝国といえば領土を増やしていて、あまり平和とは言えない国。

私のいたところは、比較的治安がよかったみたいだけど…
ああ、アラジンたちが心配。
アラジンはウーゴくんがいるから心配ないにしても、アリババくんとモルジアナちゃんも無事かなぁ。


「花ちゃーん、炒飯一つ。」
『あ、はーい!』


とりあえずは、お仕事頑張ろう。



せっせせっせとお仕事をしていると、何処からか人の悲鳴となにかを殴る音。


「ここも治安が悪くなってきたねぇ」
「そうだなぁ…」


ふと、耳にするのはお客さんのそんな言葉。

それを聞くと、一層アラジンとアリババくんとモルジアナちゃんが心配になってくる。
変な人に誘拐されたりしないといいけど…
三人とも可愛いからすごく心配。

せめて三人が一緒にいてくれれば、ウーゴくんが守ってくれるとは思うんだけど…

ああ、でもウーゴくんも恥ずかしがり屋さんだから、女の人が三人を誘拐したら太刀打ちできないや。どうしよう。


三人を誘拐する人が女の人じゃありませんよーに。


とりあえずそんなことを祈りながら、お金を貯めるためにもっとお給料のいいところに就職しようかなあ、なんて考えた。

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