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結局、彼ら私の手を掴もうとはしなかった。
自ら死ぬことを選んだ。

それが正解だったのか、間違いだったのか、どっちか分からない。

けど、私は彼らを忘れちゃいけないと思う。

奴隷を使い身を滅ぼした男の子と、優しさに溢れた奴隷だった男の人を。


『って、ここはどこ?』


モルジアナちゃんもいないし…

アモンさんが作った出口に飛び込むと、私はあの奴隷の女の子と一緒になった。

話してみると、素直で可愛らしい女の子で、すぐに仲良くなれた。


『それにしたって、ここはどこ?』


モルジアナちゃんのことを考えてみても、ここがどこかわからない。

そういえば、私はこの世界で生きる術はほとんどない。世界について、書物を読んだおかげで分かるは分かるけど、どうやって生活したらいいかはわからないや。

まるで元の世界の中国のような場所。


『うーん…』


とりあえずは、目指すはチーシャンだよねぇ。

確か、あの迷宮があったのは、チーシャンって言ってた気がする。
ウーゴくんに聞いといてよかったなぁ。

そのためにはお金も必要なので、仕事場を探すのが先だよね。

というわけで。

『あの、ここで働きたいんですが…』


目指すはチーシャン。
そのための資金稼ぎは欠かせません。

にっこり、笑顔で飲食店の中に入ってった。

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