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「さようなら、アラジン。」


スヤスヤと眠っているアラジンを抱き締めている私の横で、青い彼がそう言って寂しそうに笑みを作るから。


『ウーゴくん。』
「ぇ…花?!」


頬にキスをした。
瞬間、顔を赤くするウーゴくん。

倒れなかっただけ、成長したかな。


『ウーゴくん、本当にありがとう。』
「…花がいなくなったら、きっと寂しいな。」
『ふふ。私も、寂しい。』


私の言葉にウーゴくんが「さみしがってないでしょ」なんて言うのが可愛くて、ケラケラ笑う。


『ウーゴくんはやっぱり可愛い。』
「花…」
『そんなに呆れないでよ。だって、ウーゴくん可愛いんだもん。』


そう私が言うと、ウーゴくんを顔を真っ赤にして、ボソボソとなにかを呟く。


「……が、……い」
『え?』
「だから!花の方が可愛いよ!」


その言葉に一瞬、キョトンとしてから、ウーゴくんの言った意味がわかって、嬉しくなる。


『あらまぁ。ウーゴくん、ありがとう。』


その気持ちが嬉しくて、優しくて、心があったまる。

そうしていると、不意にウーゴくんの顔が真剣な表情になった。


「ねぇ…花、本当にあの願いでいいの?」


ウーゴくんの言葉に、腕の中にいる泣き腫らした瞳をしたアラジンの頭を優しく撫でながら、答える。


『うん。』
「アラジン、すごく泣いてたよ?」
『だって、少しはアラジンも私から離れとかないと。いつまでも甘えん坊じゃあ、困るでしょう?』


私の願いは、
アラジンが一つでも、ジンを見つけたら、私は聖宮から出てアラジンと一緒にいること
その願いを言ったら、アラジンが泣いちゃって大変だった。

まあ、そんなところも可愛かったんだけどね。


「花は、アラジンが心配じゃない?」
『ふふ。心配に決まってるよ。けど、ちゃあんと、ウーゴくんの身体がアラジンを守ってくれるでしょう?』
「…はは。任せてよ。」


ウーゴくんは身体だけなら、聖宮から出られることになったみたい。

だから、私は安心してアラジンを外に出せる。


「でも、少しだけ嬉しいんだ。」
『?なにが?』
「だって、少しの間でも花がいるから寂しくないし、独り占めできるからね。」
『あらまぁ。ウーゴくんも甘えん坊だねぇ。』


照れ臭そうなウーゴくんが可愛くて、思わず抱き締めた。

次の日、アラジンは聖宮からいなくなった。

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