アラジンSide


「花、これ切ればいいの?」
『うん。そう。よろしくね。』


ウーゴくんと花さんが二人で料理してるのを頬を膨らませて見つめる。

僕の花さんなのに。
ウーゴくん、ズルい。

仲睦まじく料理をする二人の姿は、まるで花さんから聞いたことのある夫婦のよう。


「花さん、花さん、」
『ん?どうしたの、アラジン。』


僕が花さんの服の裾を引っ張ると、花さんは僕を見てくれる。
それから、僕に優しく微笑んでくれるのが嬉しい。


「僕も、お手伝いしたい!」
『うーん…それは、まだ危ないからだぁめ。ね?』
「じゃあ、見ててもいい?」
『あらまぁ。アラジンは甘えん坊さんだねぇ。』
「えへへ!」


そう言って、僕の頭を撫でてくれた花さんに嬉しくなって、笑みを零した。

僕が物心ついた頃から、花さんとウーゴくんは僕と一緒にいた。

僕が一番最初に見たのは、きっと花さんの笑顔。

花さんは、いつも僕を見てくれる。僕を愛してくれる。僕に優しくしてくれる。

僕は花さんが好き。
僕のお母さんじゃなくて、僕のお嫁さんになって僕の子どもを産んで欲しい。

ウーゴくんにはあげない。


「ね、花さん!」
『なぁに?』


花さんは優しい人。


「僕が大きくなったら、僕のお嫁さんになって?」


可愛い可愛い子どもの“お願い”は断らないよね?


『ふふ。アラジンが大きくなって、まだ私と結婚したかったらね?』
「え、ちょ、花?それは…「うん!花さん、約束だよ?」


ウーゴくんの言葉を遮って、花さんに笑いかける。

ウーゴくんが変な顔してたけど、別にいいよね?だって、花さんは僕のだもん。


『はい、約束。』


僕の約束にふわりと微笑んだ花さんに、嬉しくなった。

約束だよ。花さん。
僕の気持ちはずーっと変わらないから、僕の子どもを産んでね。

僕と花さんの子どもなら、きっと可愛いよね。


「ふふっ。楽しみだなぁ。」


僕のこと見て、恐がってるようなウーゴくんなんて知らなぁい。


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