なんだか険悪な雰囲気だったりするのです。(5/18)
お姉ちゃんの部屋に荷物を全部運び終わって、ベッドの上でお姉ちゃんの腰にギュッと抱き着きながら、ゴロゴロする。
「何故、蝶々がここにいるんだ?」
『あのね!みけ、じゃなくてね、双熾くんが、お姉ちゃんがここに住むって教えてくれたの。それに、お姉ちゃんと一緒にいられるようにって、ここに住まわせてくれるんだって!』
ニコニコと笑いながら、お姉ちゃんにそう答える。
わたしはお姉ちゃんと離されてから、青鬼院でずっと過ごしてた。
よく分からなかったけど、わたしは、蜻蛉様とお姉ちゃんの婚約の証として、青鬼院に引き取られたって聞いた。
その時わたしは、すごく悲しかったのを覚えてる。
結局、わたしは、白鬼院の道具だったのかなって。
でも、その時の御狐神くんが優しかったし、夏目さんも卍里くんも優しくしてくれたから、あんまりさみしい思いしなくて済んだの。
「はじめまして。お義姉さま。」
「……君にお義姉さまなどと、呼ばれる理由はないんだが。」
「いいえ。僕と蝶々さまは将来を誓いあった仲ですから。」
「!!?蝶々?!どういうことだ!」
『う?』
過去の思い出に浸っていると、お姉ちゃんにいきなり肩を揺すぶられたので、ちょっとだけ驚く。
?なんの話?
「お義姉さま、あまり蝶々さまを困らせないであげてください。」
「だから、僕は君にお義姉さまと呼ばれる筋合いはない!蝶々は一生嫁に出すつもりもないからな!」
「大丈夫ですよ。」
「何がだ。」
「もう僕と蝶々さまは、あんなことやこんなことまでした仲なので。」
「!!!??」
……あんなことやこんなことって、なあに?
って、聞きたかったけど、なんだか二人の雰囲気が険悪だったので、黙って布団を被ることにした。
二人とも、なんでそんな険悪ムード?
「これから、SSとしてよろしくお願いしますね。お義姉さま。」
「君はいらない!蝶々だけで充分だ!」
とりあえず、終始ニコニコ笑顔の御狐神くんが怖かった。
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