久しぶりに逢えたりするのです。(4/18)
『御狐神くん、御狐神くん!
もうすぐかな?もうすぐでお姉ちゃん来るかなぁ?』
椅子に座って、足をブラブラさせながら、隣にいる御狐神くんに笑顔でそう言った。
早く、早くお姉ちゃんに逢いたいな。
ずっとずっと逢えなかったお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんに逢えるんだ、って思うと自然と笑みが零れる。
「はい、きっと。もうすぐ来られますよ。……それと、蝶々さま。僕の名前は双熾ですよ?
……まだ、覚えませんか…?」
『…ごめんなさい、双熾くん。』
ニコニコと笑顔で私に迫ってくる御狐神くんに、この前あったことを思い出して、すぐに名前で呼び直した。
御狐神くん、怖い。
フルフルと震える私を見て、ニコニコと笑ってる御狐神くんに、さらにガクブルしながらも、今か今かと、エレベーターをジッと見つめる。
『うごいた…!』
エレベーターが、動いた。
ちょっとだけ焦りつつ、廊下の隅っこの方に隠れる。
そんな私を見て、素早く写真を撮ってた御狐神くんのことは、残念ながら気付かなかった。
「俺、三号室だから、やっぱ手伝って(ハート)って時は声かけろよー。」
「ふん!わざわざご足労どうもだな。」
お姉ちゃんの声が聞こえて、ドキドキする。
やっと、やっと逢えるんだ…!
男の人がいなくなって、お姉ちゃん一人になると、すーはーと息を整える。
にこーっと、笑顔を作ると、お姉ちゃんのもとに飛び出した。
『お姉ちゃん!』
「!……蝶々、?」
『お姉ちゃん、逢いたかったよ…!』
ギューッと抱き締めると、お姉ちゃんは戸惑いながらも、私の腰に手を回す。
「蝶々…、本当に、蝶々か…?」
『うん…!うん…!お姉ちゃん…!』
「蝶々…!」
大好きな大好きなお姉ちゃん。
嬉しくて、嬉しくて、私の瞳からは涙が零れてた。
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