歓迎会だったりするのです。(18/18)
あれから普通にカルタちゃんは帰ってきたらしい。
無事でよかったです。
『お姉ちゃん、双熾くん、お兄ちゃん、ありがと!』
「別にたいしたことはやってない。」
「もったいないお言葉です。」
「おー。」
それぞれの言葉になんだか嬉しくなって、満面の笑みを零した。
▽
「おかえりなさーい & 妖館へようこそ」
パーンッ!
マンションに着いて、扉を開けるとそんな音がして歓迎された。
「な…?」『……すごーい』
「うふふ、驚いた?」
「なんだこれは…」
「歓迎会よ」
丸いショートケーキのうえにWelcomeと書かれたプレートを持った野ばらお姉さんか優しく微笑む。
『野ばらお姉さんとカルタちゃん、ありがと!』
「お礼は私のお願いでいいわ。」
『?うんわかったあー!』
ぎゅーっと野ばらお姉さんに抱き着くと、そう言いながら頭を撫でられたので、コクリと頷く。
すると、野ばらお姉さんに抱き着いた隙間に、困ってるようなお姉ちゃんが見えた。
『お姉ちゃん、』
「蝶々…、僕は」
『私、お姉ちゃんと一緒にいたい』
「……ああ」
私ね、少しだけズルい子なの。
お姉ちゃんは私のお願いを断らないで聞いてくれるから、それを利用してる。
『お姉ちゃん、ごめんなさい…』
ポツリと呟いた言葉は、誰にも届かない。
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