暗闇は私を一人にしたりするのです。(16/18)


「多分帰り道には、この公園を通るはずだ。」


着いた先は公園。
だんだんと日が沈んできて、空は真っ赤。


「広いから手分けしようぜ。初ケータイの番号教えろよ。」
「ふん。最初の使い道がこれとはな。」
『一気に三人もアドレスに入った…!』


感動しながら、携帯電話を宙に掲げる。

すごいすごい!
これでいっぱいみんなとお喋りできるんだぁ!


『じゃあ、私あっち行くー!』
「待て。お前は一人で行くな。足手まといになるだろう。」
『えー?危なくないもん!』


一人でカルタちゃん捜しに行こうとした私をお姉ちゃんが止める。

危なくないのになぁ。


「蝶々さま…僕一人置いて自分だけで行ってしまわれるのですか?僕は一生蝶々さまのお側を離れないと凜々蝶さまに誓ったばかりだというのに…もしも、可愛らしい蝶々さまがそこらへんの人間に襲われたりでもしたら、どうするつもりですか?僕は怒りで蝶々さまをどうするか分かりませんよ?それに『ごめんなさいごめんなさいぃぃい!!ちゃんとみけ、じゃなくて、双熾くんとお姉ちゃんと行く!』…あぁ、よかった。安心しました。」


御狐神くんの爆発トークは恐ろしかったりするのです。


「じゃあ、俺は風に飛ばされてる紙切れのフリするから〜〜」
「おい!フリじゃなくなってるぞ!」
『お兄ちゃん、待ってよう!』


一反木綿になったお兄ちゃんがふよふよと空に浮かぶ。

反射的に、お兄ちゃんを追いかけた。

ずぁっ

『!?』
「蝶々!」「蝶々さま!」


暗い暗い闇が辺りに広がった。





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