逢魔が時は危ない時間だったりするのです。(15/18)


『けーたい!けーたい!』
「蝶々、はしゃぐんじゃない。迷惑だろ。」
『はあい!』


初めて見る携帯電話。
誰かと繋がることができる。
その事実が嬉しかった。





「ただいまー。」


一反木綿になったお兄ちゃんがそう言って扉を開けようとすると、タイミング良く?野ばらお姉ちゃんが勢いよく、扉を開けた。


『あ!野ばらお姉ちゃん!野ばらお姉ちゃん!みてみて!けーたい!』
「はぁはぁ…め、メニアック…!」
『?』


携帯を両手で掲げて野ばらお姉ちゃんに携帯電話を見せると、野ばらお姉ちゃんは鼻を抑えて私を見る。

鼻痛いのかなぁ?


「はっ!それどころじゃないのよ。」
「いや、お前が一人で騒いでたんじゃねぇの?」


お兄ちゃん、無言で野ばらお姉ちゃんに殴られてた。


「カルタちゃんにおつかい頼んだんだけど、帰ってこないの。もう逢魔が時よ…何かあったんじゃないかしら?」


そう言って、心配そうに目を伏せる野ばらお姉ちゃん。

でも、次の瞬間に、目がカッ!ってなって、何処からか取り出したカメラを持ってた。


「私のカルタちゃんがどこかで触手責めにあってるかと思ったら…こうしちゃいられないわ!」
「めがねくもってんぞ。」

『?しょくしゅぜめってなぁに?』
「蝶々は知らなくていい。」


御狐神くんに聞こうとしてたら、御狐神くんからなんか変な雰囲気がしといたから、やめといた。
御狐神くん、怖い。


「仕方ねーな。じゃあ捜しに行くか。」
「蝶々さまと凜々蝶さまはここでお待ちを。」
「言ってる場合か。早く済ませるぞ。」
『私も行くよ!』


そして私たちはカルタちゃん捜しにお出かけすることになった。




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