この世界にさようなら [ 4/25 ]
「おまえなんか死んでしまえばいいんだよ!」
頭にガツンと女の人の声が響いた。
なんで?わたし、わるいことしてないよ?おかあさんとおとうさんは?
「おまえの母親が、わたしの息子を殺したのよ!化け物!」
わかんない。わかんないよ。
おかあさんとおとうさんは、仲良しだもん。
わたしといっしょにいてくれるもん。
だから、おばあさんのいってることはうそだよ。
「ねぇ、雪兎ちゃん。この石をわたしにたっくさん頂戴な?」
いやらしい顔をした叔母さんが嗤う。
できないよ。おかあさんがダメって怒るもん。
「っ………。むっかつくわねぇっ………。あんたは化け物らしく私の言うこと聞いてればいいのよっ!!」
バシンッ
そんな音がして私はぶたれた。
衝撃で身体が飛ぶ。
いたい!なんでっ!!
わたしは化け物じゃないもんっ!!
おとうさんは、わたしのこと「いい子だね」ってほめてくれたもんっ!!
「あっそう。でも、残念ねぇ。あんたは大好きなお父さんに、二度と会えないのよ。」
うそつきっ!!
「このっクソガキ………っ。まぁ、いいわ。あんたが死ねば会えるんじゃない?」
うそだよ。おかあさんは、わたしよりつよいもん。
おとうさんだってつよいもん。
「っ………。ホントにうざいわ。死ねっ!!」
グサリ、私のお腹に鋭い刃物が刺さる。
ダラダラダラと私のお腹からはたくさんの赤色。
いたい。すっごくいたいよ。
なんで?わたしはイラナイの?
「あはっ。たっくさん出てるじゃない。私の氷泪石。あはははははははははは……」
わたし、きえちゃうのかなぁ?
声があんまりきこえないよ。
真っ暗まっくらマックラ。
しにたく、ないな。