神様なんて、大嫌い 
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「母ちゃん!父ちゃん!」

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?


なんで、村がこんなに燃えてるの?

なんで、人がたくさん、血流してるの?

なんで、

















「きり丸ー雪兎ー」

母ちゃんの声が聞こえて、私はすぐに母ちゃんのところへ走って向かう。


『母ちゃん、どうしたの?』
「雪兎、きり丸と一緒に川で洗濯してきてもらいたいんだけど、いいかしら?」
『いいよー!』
「ありがとうね。きり丸には…………」


そう言って母ちゃんは小銭を懐から取り出すとそれを石にチャリーンと落とした。

瞬間、すごい勢いできりちゃんが走ってきた。

ダッダッダッダッダッダッ
「かねー!!……………あ。」
「はい。洗濯よろしくね。」
『きりちゃん、バカだなぁ。』
「ちぇっ。雪兎聞こえてるからな。後で、覚えてろよー!」
『もう、わすれましたー!』
「このやろ「きり丸?雪兎?早く行きなさい?」……はーい」
『きりちゃん、早く行って遊ぼう!』
「だな!」
「『いってきまーす!』」


私ときりちゃんは洗濯物を両手でしっかり持つと川のある方へ競争しながら走った。


「あの子たちは、本当に元気だな。まるで、本物の兄妹だ。」
「父ちゃん、ふふ。そうね。私、雪兎を拾って本当によかったと思うわ。」
「あぁ。私もだよ。」


ふふふ、と仲睦まじい夫婦に、元気な兄妹。
幸せを絵に描いたような家族だった。


川に着いてから、私ときりちゃんは二人で分担して洗濯をし始める。
ゴシゴシと私が必死にやってる横で、もう飽きたらしいきりちゃんが、岩に座りながら私を見ていた。


「あーあー。洗濯めんどくせー。」
『きりちゃん、まだあるんだから。さっさとやる!』
「雪兎、あとは頼む!」
『いーやーだー。』


べーっとほっぺを伸ばしてきりちゃんに舌を出す。

私だってめんどくさいけど頑張ってるんだからね!


「じゃぁさー、終わったら母ちゃんと父ちゃんにあげる贈り物考えよーぜ!」
『あ、それさんせー!』


もうすぐ私ときりちゃんは七歳を迎える。
私を拾ってから四年間、私を本当の子供のように育ててくれた父ちゃんと母ちゃん。

その父ちゃんと母ちゃんに、育ててくれてありがとうの贈り物を贈るのだ!


『名付けて、【父ちゃん、母ちゃん育ててくれてありがとう。これからもよろしくね大作戦】!』
「雪兎………」
『なんだね、きり丸隊員』
「(隊員?)作戦名長いしそのままでつまんない。」


サラリときりちゃんはそう言って笑う。

なんだ、と………っ!


『きりちゃんって、さらっと酷いよね!』
「そうかぁ?ま、どうでもいいから洗濯しようぜ。」
『(どうでもいい……)そうだねー』


どうでもいい発言にちょっと傷付きながら、私はゴシゴシと洗濯の続きを始めた。


 

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