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ただいま、不破先輩と一緒にきりちゃん捜索中!


「え?雪兎ちゃんの弟ってきり丸のことだったの?」
『そうですよ!先輩、きり丸のこと知ってるんですか?』
「僕ときり丸は委員会が一緒なんだよ」


捜索しながら不破先輩とお話してると、衝撃の事実。

へぇー
きりちゃんと不破先輩がかぁ……


「あっきり丸いたよ!」
「不破雷蔵先輩?に……雪兎?」


不破先輩=優しい=いい人
きりちゃん=守銭奴=扱い辛い


「雷蔵であってるよ」
「そうですか!よかったです!で、雪兎?どうした?」

= 迷 惑 を か け て る !

『……はっ!きりちゃん!不破先輩に迷惑かけちゃダメだよ!』


「「「「………………」」」」


きりちゃんに叫ぶように言うと、そこにはきりちゃんと不破先輩以外の人もいて、みんなシーンとしている。

……ありゃ?
なんでしーんってなってるの?


「……雪兎……なんでそんな話になったんだ!」


そう言ってきり丸は私のほっぺたを思い切りつねった。


『いひゃい!いひゃい!ひりひゃんひゃなして!』
「お前が悪い!」
『ひょめんなひゃい〜』


だってそう思ったんだもん!しょうがないじゃんか!
そんなこと言ったら、さらに引っ張られるから言わないけど!


「ったく。」


きりちゃんは呆れたようにそう言うと、最後に私の頬をすごい勢いで引っ張ると手を離す。

あ、やっと離してくれたぁ…
でも、すごく痛かったぁー


「で、なんで雪兎は服が泥だらけここにいて、しかも不破先輩と一緒にいるんだ?」
『えっと服が泥だらけなのは落とし穴に落ちたからで不破先輩と一緒なのは……不破先輩が優しいから!』
「……あぁ、迷子になったのか。」
『ま、迷子なんかじゃないよ!それより一緒にいるのはだぁれ?』


その時1年は組と雷蔵の気持ちはひとつになった。
《あ、この子迷子になったんだ》、と。


「あれ?雪兎って会ったことなかったけか?」
『ないよー?団蔵くんと不破先輩は知ってるけどね!』
「雪兎ちゃん!久しぶり!」
『久しぶりだね!』
「じゃあ、きり丸も見つかったことだし僕はもう帰るね」
『えっ……不破先輩もう帰るんですか……?』


不破先輩帰る発言に、ズーンと気分が沈む。
帰ったら、寂しいなぁ。
まだ一緒にいたいなぁ…


「(可愛いなぁ)うん。今度は僕と一緒に遊ぼうね」
『!はい!』


私の頭を撫でながら、そう言ってくれる不破先輩にぎゅーっと抱き着く。

不破先輩も優しいーっ!
大好き!


「(きり丸、不破先輩はいいの?)」
「(不破先輩は不破先輩だからいいんだよ。)」
「(なんで俺はダメなんだよ!)」
「(それは……団蔵だから?)」
「(理不尽だ!!)」
「(うるせぇ!!)」


私が不破先輩と抱き締めあってる時に、きりちゃんと団蔵くんが何かを話してたなんて、私は知らない。

 

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