はじめての友達 [ 13/25 ]
桜が舞っている大きな門の前には、二人の少年と少女がいた。
『うわぁ、ここが忍術学園かぁ………。』
「でっけぇな。」
この大きな門をくぐれば、私ときりちゃんは忍術学園の生徒になるのかぁ。
ワクワクとしながら私は、はやる気持ちが押さえきれなくて、きりちゃんにニコッと笑いかける。
『んじゃ!私、先に学費払ってるね!』
私はきりちゃんを置いて走りだした。
「雪兎!」
後ろからきりちゃんがなんか言ってるけど無視!
あとで、怒られそうだな……。
走って門を開けると、学園の前にはだまし絵のような不思議な顔をした黒い忍び服をきた人が、受付って書かれた机の前に座っていた。
あっ!あそこで学費払うのかな?
『あの、ここで学費払うんですか?』
「はい、そうですよ。」
『これ!学費です!』
ジャラジャラと、袋から私ときりちゃんがアルバイトで稼いだ小銭をだす。
「(これは…。数えるのが大変そうですねぇ。)」
『お願いします!』
ニコッと笑いながら礼をする。
すると、後ろからバコッと頭を叩かれた。
『いだっ!……きりちゃん、なにするのー!』
後ろを振り向くと、やっぱり犯人はきりちゃん。
ムッと口を尖らせると、きりちゃんはさらにムッと口を尖らせた。
「勝手にお前が先に行くからだろー。」
『うっ……まあ、ごめんなさい?』
素直に謝ると、若干飽きれたようなきりちゃんが、私のほっぺを軽くつねる。
「ったく。もう、学費払ったのか?」
『ううん。まだだよ!今数えてもらってるの!』
そう答えると、ピッタリのタイミングで私のお金わ数えている人が数え終わりました、と報告してくれた。
「君は女の子なのでくの一教室になります。あっちにある教室です。」
『はーい!じゃあ、きりちゃんまたね!』
ちょっとだけ、友達が出来るか不安を抱えながら、私はくの一教室へ向かった。