■ I love so much you.


広い…そう、まるで絵本に出てくるような庭園で、私は抱かれる。

私の愛おしいあの人の血を受け継いだ義妹の憧れの人に。


「好き、愛してる…白雪…」
『……閑雅様、』


初めて関係を持ったのは、出逢ってから少し経った日。
無理矢理だった。私の初めてだった。

けど、そんなことはどうでもよくて、
私は、彼と樹さんを重ねていた気がする。


横で寝ている閑雅様の髪をそっと撫でる。
この人は、私を愛してくださる。
でも、私にはどうでもいいことで、むしろ、この人のことが理解できない。


寝ている彼を起こさないように、そっと立ち上がる。

床に転がる服を着て、私はそっと外に出た。


「白雪様…、」
『…なんですか。』
「いつまで、こんなことをなされるのですか…!」
『……貴方がそれを言うのですか?ねぇ、私を抱いた感想は?桐彬さん。』
「っ、」


私の言葉に顔が歪んだ桐彬さんを嗤う。

くだらない。私を抱いたくせに。
その貴方が閑雅様との行為を止めるの?
主を裏切ったくせに。


『笑わせないで。それに、私は別に関係を望んでない。閑雅様が求めるから、それに応えてるだけです。』


何か言いたげな桐彬さんの横を通り過ぎて、愛おしいあの人のいる家へと、さっさと帰った。

樹さん以外の男の人なんていらない。


「あれ?白雪おかえり。」
『樹さん、ただいま。』


彼の笑顔だけが、私の生きる糧だから。


“おかえり”
貴方がそれを言ってくれるだけで、私は生きててもいいって思えるの。

帰る場所があるってとても素敵。

貴方がいて、私がいる。
二人きりの世界だったら、

よかったのにね。




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