■ Forest of Snow White.


生徒会だけが入れる庭園で、一人涙を零す。その手には、先日男からもらった青酸カリ。

これで、いつでも死ねる。
そう思うと、すごく落ち着く。


「白雪」
『!閑雅さま…?』


いきなりの人の声にビクリと身体が震える。

誰にも、逢いたくなかったのに。
誰にも逢わずに逝きたいから。
私の記憶に最後に残るのは、あの人だけでいい。
大好きな樹さんが私の心の中にいれば、それで。


『なんの御用ですか?』
「なぜ、勝手に生徒会をやめたの?」


ああ、それか。
どうでもよさげに、閑雅様を見る。
もう、すべてがどうでもいい。いらない。


『私には必要なかったからですよ、閑雅様。』
「っ、」
『もう、なにもいらないんです。私、大切な人を喪ってしまったから。』


きっときっと、あの人と私が笑い合うことはもうない。ああ、好きなのに、愛してるのに。


『閑雅様、知ってましたか?私、閑雅様以外の人にも抱かれてるんですよ』


壊れてしまえ

なにもかも


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