■ To me who am ugly death.


愛してるだなんて言わないで。
誰かが私にそう囁く度、私は自分を嫌いになるの。
人を欺くことしかできない最低な私。

そんな私を愛してるだなんて、どうかしてる。

ただ、私は認められたかった。
自分の“生”を、私という存在を。

それが認められなかった。
だから、私は唯一私を認めてくれた、あの人に恋をした。
いわば、迷子になった産まれたばかりの雛鳥が、自分を見つけてくれた人を親鳥だと思うようなもの。

でも、それでも、私は確かに彼に恋焦がれた。
愛して欲しくて、愛されたくて。

他の誰でもない。

あの人の愛が欲しかった。


愛してるなんて言わないで。
彼に愛されない私に価値はないから。
ただ、私に“愛してる”をくれる人を利用しているだけだから。

浅ましいって思われても、醜いって罵られても、

私は誰かと身体を重ねることをやめられない。

だって、一人は、


『ひどく、寒い……』


私の呟きは、誰にも届くことなく風に溶けていった。


逃げて逃げて逃げて逃げて、
すべてから目を逸らして、私は涙を零す。

ねぇ、私はここにいるよ。
誰か私を見つけて。

そんなことを望む。

“誰か”なんて。
私が望んでるのは樹さんだけなのに。

もう、死んでしまいたいよ。
いっそのこと、思い切って死んでしまおうか。
そしたらきっと、自由になれる。


『ねぇ、欲しいものがあるの。』
「なんだい?」
『青酸カリ。』


ニッコリと、妖艶に男に囁やく。
私を抱く名前も覚えてない男。


「白雪が望むなら、すぐに用意するよ。」
『ふふ、ありがとう。』


どうせ死ぬなら毒で死にましょう。
私の憧れた物語の彼女のように。

王子様は来てくれない。
けど、夢の中でなら来てくれるかもしれない。

そんな願いを込めて、私は全てを諦めた。


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