あいらぶにっぽん! 8


胸見られたら、普通の女の子はどういう反応をするんだろう。

そんなことを考えるナマエ・ブラウン、肉体年齢19歳、精神年齢3◯歳です。
三十路すぎてる自分にちょっと涙が出そうになったとです。

とりあえず、

『そんな見られると恥ずかしいんですけど?』
「…!わ、悪い!」


慌てて目線を下にする滝川さん。
この人、ずーっと私の胸元見てるんだもん。
セクハラで訴えてもええやろーか。

まあ、私の胸って大きいしね!
スタイルがいいのよ!スタイルが!てへぺろ。

滝川さんが出てった部屋で、ゆっくりと着替える。
あぁ!胸の締め付けがないって幸せ…!

幸せを感じながら着替え終わって、部屋から出ると、なんだか気まずい滝川さんと目があった。
目を逸らされた。


『えー、滝川さん、なに恥ずかしがっとんのー』
「い、いりゃ、」

「『……………』」


滝川さん、噛んだ。噛んだね。


『あははははは!!滝川さん、かーわーいーいー』
「なっ…!」
『動揺しすぎ!』


これが三十路を超えた大人の余裕ってやつですか!
私より肉体年齢が上の滝川さんがめっちゃ可愛く見えますわ!


「おまっ、俺はお前より年上だぞ!」
『あはは!あ、うんうん。堪忍な、滝川さん。』
「っ、それより、お前男じゃなかったのかよ!」


その言葉に待ってましたとばかりに、私はにんまりと口に弧を描いた。


『うーん、ま。これは私と滝川さんの秘密ってことで!』
「は?」
『ほらぁ、女だといろいろ困ることがあるんですわぁ。ほんまは誰にも言わないつもりだったんだけど、バレちゃったのはしゃーないですし。』


半分くらい、うそ。半分以上、変な作り言葉で、滝川さんに話しかける。

本当の私のことは、知らないで欲しい。

私はジョンだから。
私の知ってる人には、ジョンとして認識してほしいんだよねぇ。

それが、ジョンに成り代わった私の役目だと思う。

まぁ、これは私のegoismでしかないんだけど。

それでも、私は求める。
私が成り代わってしまった、ジョンの言葉を。

ニコニコと笑みを繕いながら、歪な想いを胸に秘めた私は、きっと歪んでる。


ジョン、愛してるからね。
私だけは、ずっとずっとジョンのことを忘れない。
それが、私のすべてだって思ってる。


prev next

bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -